2019年9月16日 オピニオン » 1344号

コラム「虎視」

コラム「虎視」

 2017年から18年にかけて、中国の製紙業界は環境規制という混乱に見舞われながら、製品市況が高騰したことにより、大手各社は増収増益となった。国産のライナー価格は、ドルベースで900ドルを超え、最高で950ドルになった。日本円でキロ101円である。中芯も890ドルの高値を記録。日本円で96円。

▼それが今はどうか。中国のライナー価格は540ドルで、この1年半の間に43%も価格が下落した。中芯も現在は422ドルで37%のダウンである。最もこれはドルベースなので、ドル高元安に為替が振れている影響もあるが、それでも製品価格が1年半で4割も落ちるのは、他国では考えられない。

▼また中国は木材パルプの輸入量が増えているが、こちらの価格も右肩下がりが続いている。主に印刷・情報用紙に使用されるBKPは、昨年はFOB850ドルの高値を記録したが、現在は700ドルを割り、670ドルまで下落。また主に段ボールや包装用紙に使用されるUKPは、昨年は830ドルだったが、こちらも現在は650ドルまで下落した。中国の製品市況の回復なくしては、古紙の国際相場の回復もあり得ないが、米中貿易戦争は長期化が予想されており、当分原料価格の低迷は続くか。

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