2013年11月4日 オピニオン » 1056号

コラム【虎視】1056号

コラム「虎視」

▼繊維リサイクル業の歴史は古い。中古衣料はリユースとしての再利用が江戸時代から普及し、また洋紙生産が始まった当初はボロを製紙原料として使用していた。近代化が進むにつれ、工業用や軍事用にウエスの需要が伸び、反毛は布団や内装用への需要が伸びた。

▼現在、日本全国に約200社ほどの中古衣料選別業者と約300社ほどのウエス業者がある。特にウエス業は近代における繊維リサイクルの始まりと言われており、創業百年を超える業者も多い。その古参のウエス業者が壊滅するのではないかと危惧されている。それはここ数年来、海外から中古衣料買い付け業者が殺到し、仕入価格が軒並み高騰したからである。

▼ウエス業者にとって仕入価格がキロ当たり30円、40円になってくると、差益が少ないウエスの選別・加工・販売業では採算が合わない。これまでウエスは国内での加工・販売がメインだったが、現在は海外のバイヤーが「込ボロ」として原料を根こそぎ持って行ってしまうので、逆に国内でウエスの供給不足が続いている。数年前は古紙、鉄、ペットボトルも国内で不足する状況に陥っていたが、リーマンショックで資源バブルが崩壊し、国内回帰の風潮が強まった。古布バブルは今後どうなるか。

週間アクセスランキング

オピニオン »

発行物

古紙ヤードマップ申込

Top