国内メーカーが合理的に調達に動くのであれば、国内も海外もあまり違いはないーー。そんな認識が古紙問屋の間に広がっているのではないか。5月以降の大幅な輸出増をみるにつれ、「国内ファースト」という販売姿勢が揺らいでいるよう感ずる。海外と国内の垣根は下がり、問屋はどこが買い支えてくれるかの視点で販売先を見定めつつある。
▼従来、古紙問屋が輸出市況のほうが高くとも、国内メーカーに律儀に納めてきたのは、長年の信頼関係がベースにあったから。各メーカーは取引先を集めた問屋会を結成し、日ごろからのゴルフや飲食などの機会で親睦を深めてきた。問屋側も特別扱いしてもらおうと擦り寄ってきたわけだ。ところが春まで積み上がった在庫を後目に、一部メーカーによる大幅な値下げと発注の一律カットは、問屋の大きな反発を招いた。
▼高値が続くパルプ市況では、UKPのウェットパルプとドライパルプで50ドルもの価格差が付くという。ドライのほうが運搬効率性や保管性などに優れているからだ。果たして古紙にもウェットとドライで相違が出てくるのか。もちろん水分率のことではなく、取引の関係性の違いであるが、国内メーカーの一挙手一投足に、古紙の需給は今まで以上に敏感になっている。
2025年06月30日
コラム「虎視」
2015年に日本マテリオと共催して、古紙ジャーナル韓国ツアーを開催した。
▼その時に家庭紙メ[...]
2025年06月23日
コラム「虎視」
韓国には業界紙というものが存在しないという。その理由は主に3つある。
▼①そもそも各業界[...]
2025年06月16日
コラム「虎視」
日本には売上高1兆円超の上場企業が177社ある。その顔ぶれの変化は産業構造の移り変わりを映す。近年ではキーエン[...]
2025年06月09日
コラム「虎視」
各国の新聞用紙生産量は、ピーク比で米国は95%減、中国85%減、韓国77%減、日本は60%減。世界中どこを見渡[...]