▼全国に約一千社ある古紙問屋。企業名を眺めると、創業者の名を冠した~紙業、~商店、~紙料、~紙材が大多数だ。やや堅い名称が主流なのは、戦後まもなく身を興した企業が多く、百年を超える老舗も珍しくないからだ。同時にオーナー系企業が多い実態も映し出す。横文字・カタカナ表記にするのは、新興系の問屋など一部に限られる。
▼企業名を親しみやすく変えるのは、かつてのCI(コーポレート・アイデンティティ)、今ではブランディングといわれる企業価値を高める手法の一つ。企業としての柔軟性や展望を世に示す意図もある。同じリサイクル業界でも、鉄スクラップ業者ではマテック、エコネコル、スズトクのように、大手でもカタカナ表記が目立つ。この三社もかつては佐野商店、杉山商店、鈴徳という名だった。
▼製紙では二〇一二年に王子が「もはや製紙業ではない」といって、企業名から「紙」を外した。追随する動きはないが、例えば大王製紙の場合、消費者に浸透した「エリエール」のほうが、投資家や海外からの注目が高まるかも知れない。今後は古紙業界も市場縮小によって多角化が避けられず、古紙に縛られない発想が求められる。名は体を表すというように、事業を見直すきっかけにも繋がる。
2025年10月20日
コラム「虎視」
古紙ヤードマップは先代創業者が本紙創刊時から考案していたもので、いつかは日本全国の古紙ヤードを一覧にして冊子に[...]
2025年10月13日
コラム「虎視」
10月4日に行われた自民党総裁選において、高市早苗氏が第29代総裁に選出された。15日に召集される臨時国会で第[...]
2025年10月06日
コラム「虎視」
製紙業界では周期的にバイオマスボイラーの建設ラッシュが起きている。2000年代はエネルギー転換やコスト削減を主[...]
2025年10月06日
ちょっとブレイク
時は明治時代、商人が集う大阪の街で薬問屋の奉公人として佐助は働いていた。主人の次女である春琴(しゅんきん)は、[...]