▼全国に約一千社ある古紙問屋。企業名を眺めると、創業者の名を冠した~紙業、~商店、~紙料、~紙材が大多数だ。やや堅い名称が主流なのは、戦後まもなく身を興した企業が多く、百年を超える老舗も珍しくないからだ。同時にオーナー系企業が多い実態も映し出す。横文字・カタカナ表記にするのは、新興系の問屋など一部に限られる。
▼企業名を親しみやすく変えるのは、かつてのCI(コーポレート・アイデンティティ)、今ではブランディングといわれる企業価値を高める手法の一つ。企業としての柔軟性や展望を世に示す意図もある。同じリサイクル業界でも、鉄スクラップ業者ではマテック、エコネコル、スズトクのように、大手でもカタカナ表記が目立つ。この三社もかつては佐野商店、杉山商店、鈴徳という名だった。
▼製紙では二〇一二年に王子が「もはや製紙業ではない」といって、企業名から「紙」を外した。追随する動きはないが、例えば大王製紙の場合、消費者に浸透した「エリエール」のほうが、投資家や海外からの注目が高まるかも知れない。今後は古紙業界も市場縮小によって多角化が避けられず、古紙に縛られない発想が求められる。名は体を表すというように、事業を見直すきっかけにも繋がる。
2024年12月09日
コラム「虎視」
マレーシアの経済発展は目覚ましいが、製紙業の発展も目覚ましいものがある。11年前に訪問した時は、王子グループの[...]
2024年12月02日
コラム「虎視」
働き方改革によって古紙業界ではドライバー不足に陥る懸念があった。時間外労働の上限規制(年間960時間)が敷かれ[...]
2024年12月02日
ちょっとブレイク
母がヒッポファミリークラブという多言語の国際交流クラブに入っていたので、海外からのホームステイを積極的に受け入[...]
2024年11月25日
コラム「虎視」
古紙の源泉となる紙の需要にもトレンドがある。雑誌は販売部数が減り、広告も減り、そして売るための書店も減っていく[...]