▼今年の世界のGDP成長率は三・七%増と三年ぶりの上昇を見込む。GDPに比例する段ボール需要も着実に伸びるとみられる。地域別の板紙需要予測(みずほ銀行産業調査レポート)によると、二〇一六年(見込)と二〇一七年(予測)の対比で、米国一・〇%増→一・二%増、欧州二・二%増→一・四%増、中国二・〇%増→二・五%増、日本一・四%増→〇・二%増といずれもプラス成長。特に米国と中国は昨年の伸び率を上回ってきそうだ。
▼一方で、十年周期説というのがある。一九八七年のブラックマンデー、一九九七年のアジア通貨危機、そして二〇〇七年は米国発のサブプライム問題。今年はその十年の節目にあたる。トランプ政権の発足やユーロ崩壊危機といった不確定要素も横たわり、ドル高による新興国からの資金流出が、金融危機の引き金ともなり兼ねないとされる。
▼ただ、こうした時にも底堅いのが古紙市況である。リーマンショック後には、わずか一年足らずで古紙市況は蘇った。今年、古紙の高値基調が続けば、製紙メーカーはコスト上昇に直面する。段ボール原紙の高い在庫水準は値崩れのリスクもはらむ。需要増の環境下だが収益確保は難航し、製紙メーカーの間でも明暗が分かれるのではないか。
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