▼大手カレーチェーン店の食品廃棄物の横流し問題が明るみになったが、日本では毎年約二千万トンもの食品廃棄物が発生している。リサイクル率が八四%と高いものの、実際は経営が厳しい食品リサイクル事業者も多いのではないか。渦中の産廃業者のダイコーは運送業から食リ事業に参入。処理費の安値競争に巻き込まれ、収益が悪化する過程で悪事に手を染めたとされる。食リを巡る構造的な背景にもその要因がありそうだ。
▼今回の件から古紙業界もいくつか留意しなければいけないポイントがある。例えば、価格競争の激化によって収益性が乏しくなるとモラルハザード(倫理の欠如)が起こりやすい。有価での引き取りが増えた機密書類の処理も本来は価格競争と切り離すべきで、常にこうしたリスクをはらむ。
▼また廃棄物の管理会社が仲介する顔の見えない取引が増えた。管理会社が古紙など有価物と廃棄物を抱き合わせで事務受託することで処理コストを削減する。全国展開の店舗は各地の問屋に業務を割り振ることも多い。今回、管理会社が絡んでいたのか定かでないが、ダイコーは〇円で処理委託を受けており、何らかの相殺取引があったことも推察できる。間接的だが管理会社、問屋ともに巻き込まれる可能性があるわけだ。
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