▼化石燃料を全く使用しない、廃棄物焼却発電設備の新増設が製紙大手で相次いでいる。今年は大王製紙三島工場(今月稼働)、名古屋パルプ、王子製紙苫小牧工場と大分工場、日本製紙勿来工場、三菱製紙八戸などで新設備が完成・稼働する。
▼もっとも主燃料は各社によって違う。大王・三島と名パはバイオマス(木屑、建築廃材、林地残材)が主で、RPF(廃プラと紙ごみの固形燃料)、廃タイヤチップがサブ。王子製紙の両工場はRPFが主で、廃タイヤチップなどを補助に利用する。日本製紙勿来工場は木屑などのバイオマスが主。三菱製紙八戸は廃タイヤチップとバイオマスを中心に使う。
▼かっての廃棄物焼却ボイラーといえば、工場内で大量に発生するペーパースラッジが主燃料だった。しかし今年、完成・稼働する廃棄物焼却発電はペーパースラッジでなく工場外の廃棄物利用が狙い。廃棄物といっても、バイオマス、RPF、廃タイヤチップとも安価ながら有価である。逆有償の燃料を使う場合、製紙工場としては中間処理施設の許可が必要となり、法律の壁がある。肉骨粉の焼却を引き受けた北海道のある製紙工場は中間処理施設の許可が降りたといわれる。施設許可が降りると逆有償の燃料も使用できる。
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