▼パルプ用に使用される廃材チップの歩留まりは50%という。残りの50%はリグニンなどの非繊維物質で、製造工程で使用される蒸解薬品とともに廃液(黒液)となる。この回収黒液を燃料としているボイラーが回収ボイラーと呼ばれる。クラフトパルプ設備を持つ製紙工場は大なり小なりこの回収ボイラーを持っており、黒液は製紙産業の主要なエネルギーのひとつ。
▼黒液はエネルギー全体の三割を占め、残りが重油や石炭などの化石燃料。しかし、重油ボイラーを停止し、木屑、RPF、廃タイヤなどを燃料とするバイオマスボイラーの新設が04年以来、大手製紙各社で相次いできた。環境対応もあるが、重油の高騰がボイラー新設に拍車をかけている。
▼本紙の調査によると、04年から08年にかけての5年間に使用される、木屑、RPF、廃タイヤなどのバイオマス燃料(製紙産業向け)は年間で360万トンに達する見込み。03年までに50万トンくらいの燃料が使用されてきたので、総使用量は400万トンを超えることになろう。欧州の製紙工場に比べて日本はバイオマス化が遅れているといわれてきたが、ようやく本格的することに。ただ新設備が08年までに集中しそうで、燃料争奪戦が繰り広げられることも。
2024年12月09日
コラム「虎視」
マレーシアの経済発展は目覚ましいが、製紙業の発展も目覚ましいものがある。11年前に訪問した時は、王子グループの[...]
2024年12月02日
コラム「虎視」
働き方改革によって古紙業界ではドライバー不足に陥る懸念があった。時間外労働の上限規制(年間960時間)が敷かれ[...]
2024年12月02日
ちょっとブレイク
母がヒッポファミリークラブという多言語の国際交流クラブに入っていたので、海外からのホームステイを積極的に受け入[...]
2024年11月25日
コラム「虎視」
古紙の源泉となる紙の需要にもトレンドがある。雑誌は販売部数が減り、広告も減り、そして売るための書店も減っていく[...]