2006年9月11日 オピニオン » 704号

コラム「虎視」 704号

コラム「虎視」

▼英国の古紙・製紙事情を知りたくて駆け足でロンドンにでかけてきた。成果は乏しかったが、実感はできた。欧州にでかけるとEU(欧州連合)を意識せざるをえない。ナポレオンもヒットラーも、古くはローマ帝国やオスマントルコも欧州全土の覇権を握ることはなかった。過去に軍事力でできなかった統合が平和裡になしとげられようとしている、それがEUだからだ。

▼EUは欧州の政治経済の統合を目指し、加盟国12ヵ国(フランス、ドイツ、英国、イタリアなど)で93年に発足した。04年5月時点の加盟国は25ヵ国に拡がり、人口は4億6,000万人に増えた。米国の人口、3億人を大きく上回る。EU統合によって人・物・サービス・情報が国境を越えて交流しあうようになった。また最大の成果は通貨統合といわれるが、英国はいまだポンドに固守している。それと加盟国は総じてキリスト教国であり、イスラム国との宗教問題を抱えたままで解消されていない。

▼ドルと円の関係は変動幅が小さくなり、最近は1ドル110円台で安定している。一方、01年をボトムにユーロもポンドも円に対して一貫して強く、円が弱くなっている。最近は1ユーロが150円、1ポンドが225円前後。このため円の価値が目減りしている。

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