丸住製紙が今年3月末で新聞用紙の生産を終了する。花形だった新聞用紙事業は今は昔である。新聞の普及に大きな役割を与えた新聞配達は、1872年頃から開始。その数年後に新聞販売店が開業し、新聞の部数増加と共に全国に普及した。
▼新聞販売店の朝はとにかく早い。朝刊が届く前の夜中1時頃から、手分けをして折込チラシのセットを作っていく。例えばその販売店の配達部数が3千部なら3千セットを作るので、大変な作業である。そして2時半頃には専用の配送トラックによって印刷所から朝刊が届くので、チラシセットを朝刊に挟んでいく。それが出来たら、比較的遠い場所や時間が掛かる場所、部数が多い人から順に配達に出発。早い人は5時台には順に帰ってくる。配達手段はバイクがほとんどだが、自転車で配る者もいる。
▼新聞はどんなことがあっても配達しなければならないが、最も大変なのは悪天候の時だ。特に台風や警報級の大雨、そして大雪の時はかなりの危険を伴う。この日だけは配達員の安全を第一に考え、遅配しても仕方がないと割り切るという。大雪の時はバイクも自転車も無理なので、車と徒歩で配達をする。こんな配達員の苦労話も、この先はなくなるかもしれない。それほど部数減が深刻な状況だ。
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