2024年10月7日 オピニオン » 1593号

コラム「虎視」

コラム「虎視」

 物心付いた時から毎年、年賀状を出していたが、5年前に出すのを止めた。会社関連も2年前から止めて、勝手ながら紙面での挨拶に代えさせてもらった。

▼子供の頃は特に「お年玉付き年賀はがき」の抽選が楽しみだった。それこそラジカセやテレビ、海外旅行、ビデオカメラ等、毎年わくわくするような賞品が目白押しだった。ちなみにこのお年玉付き年賀はがきは昭和25年から発行されたが、これを考案したのは画商や仕立屋経営の林正治氏。戦後間もない時期で、年賀状交換でお互いの無事を確かめて励まし合い、更に賞品くじが加われば、人々が夢や希望を持てるとして考案して採用された。ちなみに林氏の子息は童夢レーシングの創設者である。

▼年賀はがきの発行枚数のピークは、03年の44億6千万枚だった。つい20年前までは、年賀はがきの発行枚数は右肩上がりに増えていた。しかし04年から減少し、24年は14億4千万枚でピーク比68%減。25年用は10億7千万枚になる見込み。今年10月から郵便料金の大幅な値上げで、はがきは63円から85円となり、35%の値上げとなった。この時期の値上げは、紙媒体の年賀状のやり取りを減少させようという意図すら感じさせる。これもペーパーレス化の時代の流れか。

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