▼昨年の古紙回収量は1-10月で1,790万トン。年間推計では2,153万トンと、前年比でマイナス18万トンのほぼ横ばいとなりそうだ。震災等が影響し、2,000万トン近くまで激減するかと思われたが、回収量は底堅く推移している。古紙ヤードの飽和状態から仕入れ競争が激化していることに加え、雑がみや機密古紙の掘り起こしも数量維持に繋がっているようだ。
▼とはいえピークの2007年に比べると約180万トン減で、この大半が新聞と雑誌である。デジタル化という構造的な要因の落ち込みなので、今後の盛り返しは期待しにくい。新聞や雑誌の生産が減っていけば、追いかけで発生する古紙は、国内の洋紙向けとして消費拡大が望めず、余ってくることになる。今後はこうした洋紙向け古紙の輸出動向が注目されるだろう。
▼昨年の雑誌と上物の輸出量は過去最多の水準となっている。ナインドラゴンは計年産45万トンの設備で再生紙分野に先鞭を付け、日本からの原料調達も始まった。だが、中国での再生紙の市場はまだ未成熟。再生紙の生産は、①DIPや排水処理など技術・設備の普及、②古紙を原料にしたときの価格競争力、③環境意識の高まりといった条件が揃うことで、需要はさらに伸びてくるだろう。
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