古紙輸出量は2012年をピークに減り続け、21年までの10年間でほぼ半減してしまった。回収量に占める輸出比率も12年の23%から21年は13%と、10ポイント下落している。90年代のどん底市況から、輸出市場の開拓が競争力をもたらしたが、その構図が崩れつつある。輸出に出す古紙がなくなってきたからだ。
▼税関統計による輸出総額(FOB)をみても実感する。800億~900億円近い輸出販売額があったのが、21年は563億円と18年比で268億円減。一方で段原紙の輸出額はこの間232億円増え、21年は518億円と古紙市場に肉薄している。転抄による増産で、輸出品目が古紙→段原紙へ移ったわけだが、古紙の輸出価格は国内の基準価格を上回る。日本の国内優先で流れる特異な商慣習に支えられてきたわけだ。
▼だが、転抄メーカー3社にとって依然、古紙調達は頭痛の種だ。3社の工場は苫小牧、新潟、三島といずれも地方工場で発生地から遠い。物流コストは重荷だ。原紙輸出するほど古紙の発生が減るジレンマにも直面する。もともと中国の輸入禁止で古紙が余る前提だったが、コロナ禍や物流混乱で想定が崩れた。世界的な古紙の逼迫感は続く見通しで、今年もОCCは250~300ドルを推移か。
2025年03月10日
コラム「虎視」
愛媛県四国中央市で紙づくりが始まったのは江戸時代半ばの1750年頃と言われている。豊富な水と原料に恵まれたこと[...]
2025年03月03日
コラム「虎視」
丸住製紙が今年3月末で新聞用紙の生産を終了する。花形だった新聞用紙事業は今は昔である。新聞の普及に大きな役割を[...]
2025年02月24日
コラム「虎視」
トランプ大統領の顧問を務めるイーロン・マスクは、南アフリカからカナダを経由して米国に移り住んだ移民の一人である[...]
2025年02月24日
ちょっとブレイク
歴代最高のサッカー選手の一人と言われたマラドーナは、実はバロンドール(サッカーの世界最高選手賞)を一度も受賞し[...]