18年12月に英国を訪問した。欧州トップの製紙メーカーであるスマーフィットの工場や、現地の産廃業者が運営するMRF資源化施設とその古紙ヤードを見学した。
▼当時は古紙価格が暴落し、英国の段ボール古紙の仕入価格は逆有償になっていた。日本のように国内販売価格と輸出価格の二重価格がなく、「とても古紙では食べていけない」という。日本では古紙専業者が多いという話をすると「古紙価格が今回のように暴落したらどうするの?」と疑問を持っていた。日本の二重価格を説明したが、そもそも二重価格が何かを理解できないようだった。そして自分たちは、産廃や他の資源物を扱っているので、どれかが暴落しても他で補填すると話していた。
▼訪問時、古紙価格は暴落して逆有償になる一方で、廃プラの価格は高騰していた。英国のヤード経営者は、古紙価格は下がったが廃プラが高騰しているので、廃プラの扱いを増やしており、古紙は量を減らしてなるべく手間をかけずに売っていると話していた。中国が廃プラの輸入を段階的に禁止したのが18年からで、19年にはゼロになった。中国の禁輸後に国際市況が上昇するという図式は、今年の古紙も同じ。取り巻く状況は異なるが、今になってそのことを思い出した。
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