2020年9月28日 オピニオン » 1395号

コラム「虎視」

コラム「虎視」

 一昨年の新聞古紙輸出価格の未曾有の高騰を受けて、日本の新聞用紙メーカーに様々な変化が起きた。新聞用紙の生産減少が続く中で、新聞古紙の高騰により製品価格が上昇。大手紙は25年ぶりに購読料を値上げした。当時の古紙輸出価格の上昇要因は、中国の一時的な爆買いだが、この同じ轍を踏まないというメーカー側の姿勢が見て取れる。

 ▼日本新聞協会調査による新聞用紙の軽量化の推移を見ると、昨年から軽量化が急速に進んでいることが分かる。これまで全体の6%~9%程度だった超々軽量紙だが、18年は11.5%、19年は26.0%に比率が跳ね上がった。ちなみに超々軽量紙は坪量40gで、世界的に最も薄くて軽い新聞用紙である。全体的には超軽量紙(43g)が最も多いが、以前は87%ほどを占めていたのが現在は67.5%まで下落している。

 ▼新聞用紙メーカーが超々軽量紙への移行を加速させたことで、様々な変化が起こった。まずは部数が同じでも重量では減少するので、新聞古紙の消費量が減少した。また薄くしたことで強度が必要となり、パルプの消費率が高まった。そして一部、海外の新聞古紙や残紙で代替する動きも出た。昨年、国内の新聞古紙の需給が緩和したのは、このような背景があった。

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