2019年12月9日 オピニオン » 1356号

コラム「虎視」

コラム「虎視」

 現在、東南アジア向けの古紙市況は日本品がもっとも安い。市況低迷の先導役にもなりつつある。選別精度の高さで品質は世界一と自負しながらも、欧米のサプライヤーから投げ売り状態に非難を受ける始末だ。日本市場は確立されたリサイクルシステムで需給調整がなされにくい。構造的に余り過ぎた古紙が行き場を失って、下げ相場をけん引する結果を招いている。

 ▼しかし、これほど初期分別が徹底された日本の古紙がごみ混じりの欧米古紙と一緒くたにされ、安く買い叩かれていいものか。中国に続いて、ベトナムやインドネシアなどでも古紙の輸入に際した規制を強める方向に動いている。政府による規制強化は避けられないにせよ、現地の製紙メーカーの古紙需要は底堅い。サプライヤー側の国からも現地政府に接触して、日本の古紙は除外対象にすべく動くときではないか。

 ▼全原連や古紙再生促進センターを筆頭に、日本製紙連合会や日本貿易振興機構を巻き込み、経産省や環境省などとも連携して、ロビー活動を積極展開できないか。日本の古紙はごみでなく、品質が管理された原料であることを海外政府に強くPRしていかなければならない。このままでは日本のリサイクルシステムが崩壊の危機に瀕してしまう。

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