12月上旬に英国に行ってきた。英国では、段原紙メーカーや産廃業者のMRF施設と古紙ヤード、そして包装資材の工場を見学した。MRFはマテリアル・リカバリー・ファシリティーの略。欧米ではシングルストリームで再生資源物全般を回収し、MRF施設で分別するのが一般的である。
▼欧米で古紙を扱うのは、ほとんどが産廃業者であり、日本のような古紙専門業者は少ない。英国では以前は古紙専門業者がいたようだが、現在はゼロ。英国の産廃業者は、日本では古紙専業が1000社ほどいると話すと「古紙価格が下落したら、食べていけないのでは?」と疑問を持っていた。
▼英国でも他国と同様、今夏から古紙価格が急落した。英国の古紙輸出比率は約6割。現在のOCC輸出価格はキロ4円。そんな状況に嫌気がさしたのか、前述の産廃業者は「今は廃プラをメインに扱う」と話す。産廃業者の発想では、価格が高いものや利益が大きいものをメインに扱い、実際に置場も広げている。対して古紙は扱い量を減らし、選別も人手をかけない。そういえば昔のちり紙交換も、価格が下がったら離散、価格が上がればまた集めることで需給バランスが取れていた。ビジネスライクの欧米の方が案外、需給バランスが取れるのかもしれない。
2025年03月17日
コラム「虎視」
シリコンバレー発のGAFAなどの新興企業がもてはやされる陰で、米国の製造業は着実に衰退してきた。製造業付加価値[...]
2025年03月10日
コラム「虎視」
愛媛県四国中央市で紙づくりが始まったのは江戸時代半ばの1750年頃と言われている。豊富な水と原料に恵まれたこと[...]
2025年03月03日
コラム「虎視」
丸住製紙が今年3月末で新聞用紙の生産を終了する。花形だった新聞用紙事業は今は昔である。新聞の普及に大きな役割を[...]
2025年02月24日
コラム「虎視」
トランプ大統領の顧問を務めるイーロン・マスクは、南アフリカからカナダを経由して米国に移り住んだ移民の一人である[...]