2019年12月16日 オピニオン » 1357号

コラム「虎視」

コラム「虎視」

 12月上旬に英国に行ってきた。英国では、段原紙メーカーや産廃業者のMRF施設と古紙ヤード、そして包装資材の工場を見学した。MRFはマテリアル・リカバリー・ファシリティーの略。欧米ではシングルストリームで再生資源物全般を回収し、MRF施設で分別するのが一般的である。

 ▼欧米で古紙を扱うのは、ほとんどが産廃業者であり、日本のような古紙専門業者は少ない。英国では以前は古紙専門業者がいたようだが、現在はゼロ。英国の産廃業者は、日本では古紙専業が1000社ほどいると話すと「古紙価格が下落したら、食べていけないのでは?」と疑問を持っていた。

 ▼英国でも他国と同様、今夏から古紙価格が急落した。英国の古紙輸出比率は約6割。現在のOCC輸出価格はキロ4円。そんな状況に嫌気がさしたのか、前述の産廃業者は「今は廃プラをメインに扱う」と話す。産廃業者の発想では、価格が高いものや利益が大きいものをメインに扱い、実際に置場も広げている。対して古紙は扱い量を減らし、選別も人手をかけない。そういえば昔のちり紙交換も、価格が下がったら離散、価格が上がればまた集めることで需給バランスが取れていた。ビジネスライクの欧米の方が案外、需給バランスが取れるのかもしれない。

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