今から14年前、2004年に発刊された「日本式サッカー革命~決断しない国の過去・現在・未来(セバスチャン・モフェット著)」は、サッカーに少しでも興味がある方なら、1度読むことをお勧めする。イギリス人ジャーナリストのモフェット氏が、日本サッカーの長所や短所を客観的に分析。また日本サッカーの発展に尽力した人達のインタビューやこぼれ話が数多く記載されている。
タイトルの通り、日本は「決断しない国」というのが、モフェット氏の総括である。これはサッカーに限らず、学校や企業でも全くその通りだろう。横並びでいることの安心感、出る杭は打たれるといった異質を嫌う文化や、島国社会特有の社会性は、時にサッカーにおいては長所と短所をもたらす。この本の中では、ジーコ、ベンゲル、ストイコビッチ、ドゥンガといった名選手・名監督が、日本人サッカー選手の印象として、技術と規律はあるが、自主性がなく、精神的に弱く、闘争心や責任感がないということを挙げている。これらは「部活式サッカー」の弊害も大きいと著者は指摘している。言われたことを指示通りにすることには長けているが、結果的に自主性が育まれない。しかし当時に比べると、海外で活躍する日本人選手は増えた。ロシアW杯の日本式サッカーに注目したい。
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