今から14年前、2004年に発刊された「日本式サッカー革命~決断しない国の過去・現在・未来(セバスチャン・モフェット著)」は、サッカーに少しでも興味がある方なら、1度読むことをお勧めする。イギリス人ジャーナリストのモフェット氏が、日本サッカーの長所や短所を客観的に分析。また日本サッカーの発展に尽力した人達のインタビューやこぼれ話が数多く記載されている。
タイトルの通り、日本は「決断しない国」というのが、モフェット氏の総括である。これはサッカーに限らず、学校や企業でも全くその通りだろう。横並びでいることの安心感、出る杭は打たれるといった異質を嫌う文化や、島国社会特有の社会性は、時にサッカーにおいては長所と短所をもたらす。この本の中では、ジーコ、ベンゲル、ストイコビッチ、ドゥンガといった名選手・名監督が、日本人サッカー選手の印象として、技術と規律はあるが、自主性がなく、精神的に弱く、闘争心や責任感がないということを挙げている。これらは「部活式サッカー」の弊害も大きいと著者は指摘している。言われたことを指示通りにすることには長けているが、結果的に自主性が育まれない。しかし当時に比べると、海外で活躍する日本人選手は増えた。ロシアW杯の日本式サッカーに注目したい。
2025年03月17日
コラム「虎視」
シリコンバレー発のGAFAなどの新興企業がもてはやされる陰で、米国の製造業は着実に衰退してきた。製造業付加価値[...]
2025年03月10日
コラム「虎視」
愛媛県四国中央市で紙づくりが始まったのは江戸時代半ばの1750年頃と言われている。豊富な水と原料に恵まれたこと[...]
2025年03月03日
コラム「虎視」
丸住製紙が今年3月末で新聞用紙の生産を終了する。花形だった新聞用紙事業は今は昔である。新聞の普及に大きな役割を[...]
2025年02月24日
コラム「虎視」
トランプ大統領の顧問を務めるイーロン・マスクは、南アフリカからカナダを経由して米国に移り住んだ移民の一人である[...]