2018年6月18日 オピニオン » 1283号

コラム「虎視」

コラム「虎視」

▼持ち去り行為を禁じる法案が近く国会に提出され、早ければ来年中にも施行される方向だという。5月の関東商組の総会後懇親会の席で「資源リサイクル推進議員連盟」の事務局次長を務める葉梨康弘衆議院議員が明かした。全国で持ち去りによる被害総額は、新聞古紙だけでも年間26億円に上るとの試算がある。

▼この罰則を立法化する根拠も、実は昨今の中国の古紙輸入規制が関係している。葉梨氏によると、日本国内で場所を指定して収集し、資源物をリサイクルすることの「質」を高めていく必要性が出てきた。その一定のルールを法律で定めると、ある時間を決めて指定場所から持ち去ったという行為を構成要件として抽出できる。これを直罰という形で適用できるよう国会に提案したいという。

▼東京都では49市区のうち38市区が持ち去りを禁止する条例を定める。条例化が進まないのは、人口規模が小さいか、ホームレス支援の考えが残る市区だ。ただ条例による罰則は、100万円以下の罰金又は2年以下の懲役が上限であった。また窃盗罪を適用することもほぼ不可能だったため、いかに警察権限が動けるようにするかも新法の焦点だ。新たな法律でついに持ち去り行為が一掃されるのか、注目したい。

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