▼二面以降に掲載の王子エコマテリアルの田口社長のインタビューで、古紙の実勢価格についてあれこれ聞いた。ここ数年、建値は横ばいで、プレミアム(上乗せ)価格を上下させる購入方式が定着。だが実勢価格は不透明で、どのような指標をもって価格を決めているのか疑問だったからだ。「建値を動かすことはリスクが大きすぎる」というのが返ってきた見解だ。
▼その時々の情勢に応じて、実勢価格は変動するわけだが、購入価格の決め手となるのは、「王子に対する貢献度」ともいう。深淵な言い回しだが、具体的には「数量面、単価面、困ったとき、会社の体制、質、経営者の姿勢、品質」などを加味するという。現行の古紙価格を左右するのは、製品市況との兼ね合いがもっとも強いようだが、興味深いのは、「会社の体制、質や経営者の姿勢」のような客観視しづらい点も挙げていることだ。
▼確かに古紙の商売は理屈や合理性だけで割り切れないファジー(あいまい)なところがある。田口氏の話は、サラリーマン人生に付きものの辞令の嵐に直面してきた経歴が印象に残る。貢献度の重さというものを痛感しつつ、問屋との胸突き八丁の交渉から、人間くさい商売を体得してきた自負があるのではないか。
2024年10月14日
コラム「虎視」
ピューリッツァ賞作家であるハルバースタムによる「ベスト&ブライテスト」という本がある。泥沼化したベトナム戦争に[...]
2024年10月07日
コラム「虎視」
物心付いた時から毎年、年賀状を出していたが、5年前に出すのを止めた。会社関連も2年前から止めて、勝手ながら紙面[...]
2024年09月30日
コラム「虎視」
福田三商はM&Aで大きくなった古紙問屋で、元々は福田紙原料と三商紙業(福田紙原料と鈴六商店の合弁)が合併して6[...]
2024年09月23日
コラム「虎視」
最近の若者の間で「オタク」は憧れの対象なのだという。『映画を早送りで観る人たち』(稲田豊史著)によると、彼らは[...]