
物言う株主として知られるオアシス・マネジメントが、北越コーポの株式18%を取得した後、岸本社長再任反対のキャンペーンを張って、今年の株主総会に挑んだ。結果は前年より15ポイント低下したものの、66.7%の賛成で再任。オアシス社による株主提案はいずれも退けられた。同社の主張をみると、業界特有の文脈を無視した内容も目立った。
▼思い起こすのが、06年に王子製紙が仕掛けた敵対的TOBだ。この時も岸本氏は副社長として北越の防衛戦を陣頭指揮した。当時から経営の独立性と株主利益の創出が相反すると指摘されてきたが、特に前者を重視するのが製紙業界の慣習なのだ。岸本氏の社長在任期間は15年にわたるが、北越の保有株式数は27万1千株と比率は僅か0.14%。取締役会全体でも計0.2%に留まる。
▼とはいえ、やはり注目は北越が25%保有する大王製紙株の行方である。第三極形成の火種とみられながら今も膠着状態が続いている。大量にエネルギー消費する製紙産業は、カーボンニュートラルに向かう中で生産効率の高い工場が求められている。再編の必要性は論を待たないが、地殻変動が起きるのは絶妙なパワーバランスを保ってきた老練の経営層が去りし後となるのかどうか。
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