
ネットでニュースのタダ読みはもはや常識化している。だが、こうした慣習を破ったのが日経新聞だった。同社もそれまで無料サイトで50億円近い広告収入があった。それを廃止して、購読料を4000円に設定したデジタル有料版を2010年3月からスタート。これが奏功して日経は今や唯一、当時から売上を維持できた新聞社となった。
▼このあたりの経緯は、下山進著の「2050年のメディア」に詳しい。同書ではこうも指摘する。「紙かデジタルかという単純な問題ではない。いかに既存市場「紙」での売上の下げ幅を最小限にしながら、新しい収入のとば口をみつけそれを育てていくか」。これは「両腕の経営」とも呼ばれる問題だが、紙の市場で大成功を遂げた新聞社が転向するのは容易ではない。他の業界でも度々みられた光景で、まさに製紙業界も同じ問題に直面している。
▼製紙メーカーが新聞社へかつてない値上げ幅を提示した。これが何を意味するのか。コスト転嫁をのめないならば事業撤退すらあり得るのか、憶測も様々拡がる。新聞用紙で最大手の日本製紙は今期の営業利益が200億円もの赤字予想。株価も低迷するなど経営改革に迫られている。諸刃となりうるも、決死の値上げに討って出たわけだ。
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