▼例年なら国内洋紙向けの新聞古紙消費は上期よりも下期が伸びる。上期はボイラー検査などで工場が休転するが、冬場は逆にフル操業に入る。北海道に立地する洋紙工場では、冬場にボイラーを止めるのはエネルギー効率が悪いから。しかし今年に関しては、需要の伸びがそれほど期待できず、下期の新聞古紙消費も伸び悩むだろうと見られる。
▼ところが、世界的に新聞古紙の需給がひっ迫していることから、国内の大手製紙各社は、今後の新聞古紙の量と価格の両面で警戒感を抱いている。今上期の米国の新聞用紙の生産は32%減で、大手新聞社が軒並み倒産するなど事態はかなり深刻。ピークの生産量からは半減となっている。日本は独自の新聞販売店による宅配制度が確立していることもあり、今上期は7.7%の減少にとどまっているが、若者の新聞離れ、ページ数やチラシの減少もあり、今後の発生量が減少に向うのは間違いない。
▼日本では、新聞古紙の用途は新聞用紙や洋紙向けが大半だが、中国では白板紙向けが多い。今後、日本のような大型のDIP設備ができてくると、国内外で新聞古紙の争奪戦になる可能性もある。「新聞古紙は国内でリサイクルループしたい。」というのが国内製紙各社の本音だろう。
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