2012年10月8日 オピニオン » 1003号

【虎視1003号】

コラム「虎視」

製紙メーカーは装置産業でありシェア産業。紙は付加価値を付けにくいという特性もあり、カルテルが起こりやすい土壌にある。先週号でインタビューを掲載した北村氏によると、過去5、6回ほどカルテル問題が発覚しているという。今回、段ボール業界の全国規模のカルテル疑惑が浮上した。もしカルテルが認められれば、大手メーカーは多額の追徴金が課せられる見込み。

▼台湾では2年前に段原紙のカルテルが発覚した。台湾の3大メーカーである正隆、永豊余、栄成紙業の3社は、段原紙生産で国内シェア90%を占めている。3社は段原紙の生産から製函工場や紙器工場を持つ一貫メーカーで、正隆と永豊余は印刷用紙や家庭紙も生産している。ちなみに他国の段原紙占有率(上位3社)は、米国が68%、日本が58%、中国は25%前後であり、台湾は突出している。結局、台湾公正取引委員会は段原紙の価格操作の疑いで、3社に総額約2,700万円の罰金を命じた。

▼台湾3大メーカーの最近の展開は三社三様。中国でパルプ生産や家庭紙に力を入れる永豊余、中国で段原紙を100万トン以上生産し10ヵ所以上の古紙ヤードを運営する栄成紙業、国内回帰で競争力を高め一貫メーカーの地位を不動にする正隆となっている。

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