▼2015年末、中国の山東省濱洲市にある龍福社を訪問した。この24万坪の広大な工場では、世界各国から輸入した年間約20万トンの廃PETボトルを原料として、付加価値の高い長繊維の製品を生産している。具体的には、毛布・絨毯・カーテン・服・壁紙・テント等。2014年には、中国で10社ほどしか選ばれない「中国の画期的な創造企業」に選出された。
▼この時の視察では、二つの大きな驚きがあった。一つは龍福社の技術力。過去に廃プラを原料とする中国の工場を視察したが、どこも人海戦術による選別と、「安かろう悪かろう」の製品。100円ショップ等で販売している製品の多くは、このような工場で作られている。しかし龍福社の技術力や製品は、これまでの価値観を一変するものだった。
▼もう一つの驚きはPM2.5。山東省の駅を降りた時、霧がかなり出ているなと感じたが、それは全てPM2.5による大気汚染物質だった。わずか3日間の滞在だったが、2日目から体調が悪化した。市販のマスクでは、PM2.55を防げなかったようだ。中国の光と影。未来に繋がる革新的な技術の光と、深刻な環境汚染による影。中国は現在、影を消し去ろうと躍起だが、光まで消し去っては意味がない。
2025年07月14日
コラム「虎視」
今号で紹介した熊谷紙業は、90年代から古紙パルプ生産を試行錯誤してきた。本紙268号(97年10月)を改めて読[...]
2025年07月07日
コラム「虎視」
段ボール古紙の調達価格が、段原紙の市況上昇のなか、据え置かれている。段原紙は2017年以降、5回目となる値上げ[...]
2025年06月30日
コラム「虎視」
2015年に日本マテリオと共催して、古紙ジャーナル韓国ツアーを開催した。
▼その時に家庭紙メ[...]
2025年06月23日
コラム「虎視」
韓国には業界紙というものが存在しないという。その理由は主に3つある。
▼①そもそも各業界[...]