▼二〇一五年問題は杞憂に終わったのでは?と聞かれることがある。本紙が二〇一五年問題を大々的に取り上げたこともあるが、皮肉にも二〇一五年問題は古紙以外の資源物を襲った。周知のように鉄スクラップ、廃プラスチック、古布等、資源物全般の価格暴落である。昨年、いろんなリサイクル業者から「古紙だけは良いけど、他はダメ」というが良く聞かれた。
▼古紙の二〇一五年問題は、前提として国内の古紙回収量が堅調で、尚且つ中国製紙産業が成長を続けるていく中で、中国の国内古紙回収量が驚異的に伸び、輸入量が激減するという仮説だった。その影響によって、日本では以前のような古紙余剰問題が再び起こるかもしれないということで、危機感を持った方も多かった。しかし国内の古紙回収量は減少に転じ、中国の経済が停滞したことで製紙産業も供給過剰に陥った。前提が覆ったことで、仮説として成り立たなくなった。
▼代わって鉄スクラップや廃プラの二〇一五年問題は深刻だ。原油や鉄鉱石のバージン価格が暴落したことで、資源物の価格が押し下げられた。中国が驚異的な経済発展を続けていく中、世界中から資源物を「爆買い」することで資源バブルが起きていたが、資源高の時代は終わろうとしている。
2021年01月25日 コラム「虎視」 かつて静岡県袋井市にあった鉄スクラップと古紙を扱う問屋が面白い取組みをしていた。約230トンのCO2排出権を購[...]
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