▼高品質の古紙を支えてきた自治体の分別収集に異変が起きている。東京多摩地区の武蔵村山市・東大和市・羽村市の三市で、市民には分別指導しながらも、収集段階では段ボール・雑誌の混載収集が行われているのだ。回収車両を三台から二台に減らし、回収コストを削減する狙いがあり、羽村市が実施していたところに周辺二市も追随した。ちなみに、三市とも入札制によって古紙を売却している。
▼新聞は平ボデー車両で古布と一緒に回収され、段ボールと雑誌(雑がみ含む)が同じパッカー車両で収集されている。この結果、ヤード内で再び選別する手間が生じており、この選別工程に対する補助も出ていない。こうした混載収集への切り替えが全国的に広がれば、古紙品質に深刻な影響を与える可能性がある。
▼新聞や雑誌の発生が減ってきた時代の流れもある。新聞と段ボール、雑誌の比率は二:四:四と、段ボールの比率が増え、雑誌は雑がみを多く含むようになった。また事業者と行政とのコミュニケーション不足により、こうした措置が一方的に始まる懸念もあり、東京都資源回収協同組合の吉浦高志理事長は、「発生が減る中でどういう回収形態が望ましいのか、行政とともに研究していかないといけない」としている。
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