「将来的に国内で古紙が集まらなくなるのではないか」。そんな危機感を抱く製紙メーカー幹部もいるようだ。古紙回収量は過去10年で21%も減少。一方で、国内の消費量は12%減に留まる。つまり消費より回収が減るペースのほうが早い。需給のバッファーは年々縮まり、一定量が輸出される中で、原料不足に陥る可能性がちらつき始めたのだ。
▼問屋の淘汰再編も既存の調達先を揺るがすことになり、不安を増幅させているのだろう。製紙メーカーの対応策としては、①輸入古紙の調達、②パルプの配合増、③クローズドシステムの構築が考えられる。①は大王製紙が5年前に試みたことがあるものの、品質面で課題も多かった。円安も逆風だろう。②は、古紙をパルプに切り換えると、コストが跳ね上がるため、製品品種にも拠るが、段ボールでは現実的ではない。
▼目下、製紙メーカーが注力するのが、③のクローズドの仕組みによる対応だ。排出元の囲い込みによって、輸出分の国内回帰にも繋がる。また段原紙の安定供給が見込めることもあって、商社が積極的に提案しているようだ。古紙問屋には市況に関わらず、収集費や加工賃を払われるだけ。いよいよ古紙の回収は排出元へ戻すことが前提、そんな仕事の比率が高まってきた。
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