日本のバブル経済は、85年のプラザ合意が発端。急激な円高で金融緩和政策を始めた結果、企業は資金融資が容易となる。そこで本業以外に土地や株式を投機目的で売買し、資金繰りが潤沢になり、更に借り入れが増していった。しかし89年の金融引締め政策と不動産融資制限で、債務不履行が増えて銀行の不良債権が増加。銀行が融資を絞った結果、倒産企業が続出して消費も低迷。一転してデフレスパイラルとなった。
▼これは正に今の中国を見ているようだが、バブル崩壊した日本と今の中国では、資本主義と社会主義という政治体制が異なる。13億人の人口を抱える中国が今後どのような政策によって経済を立て直すか注目される。製紙業に関しては、一昨年は停滞したものの、昨年は生産・消費ともに増加した。最大の原料である古紙を輸入禁止にしても、これだけの生産増を行える中国メーカーには底力を感じる。
▼未だ中国経済は停滞気味だが、数年後には製紙・古紙業界においても新たな動きが出てくるだろう。例えば中国メーカーの他国の製紙・古紙関連企業へのM&Aの増加や、古紙パルプ輸入基準の緩和、環境保全の成果が出たので古紙輸入禁止措置の撤回の可能性もゼロではない。中国では何が起きても不思議ではない。
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