2009年3月2日 オピニオン » 826号

コラム「虎視」 826号

コラム「虎視」

▼日本の場合、古紙の輸出量と価格は連動しない。回収量から消費量を引いた需給ギャップが拡大すれば輸出が増えるし、縮小すれば減る。07、08年と輸出ギャップは2年連続して前年より4万トン、27万トンの減少。このため輸出も価格が上昇したのにかかわらず、4万トン、35万トンの各減だった。

▼100万トンを超える輸出が始まったのは01年からだが、06年まで右肩上がりで輸出が伸びたのは需給ギャップが年々拡大したため。ところが07年からこの流れに変調が起こり、需給ギャップが縮小し始めた。今年も試算ではさらに縮小する見通しにある。個人的には「古紙消費が大幅に落ち込んでも、回収がそれ以上に落ち込む」との事態は信じがたいという思いもあるが、関連データを調べると消費減と回収減が同時に起こっている。

▼とくに昨10月以降の回収の落ち込みは12月までの3ヵ月で57万トンも減少した。紙・板紙が生産され、流通・加工・販売され、古紙として回収・消費されるまでにはタイムラグ(時間差)があると思っていたが、これまでのデータをみていると、こうしたタイムラグがなく、連動している。欧米でも消費以上に回収減が顕著になると、世界的に輸出余力が後退する?

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