最近の若者の間で「オタク」は憧れの対象なのだという。『映画を早送りで観る人たち』(稲田豊史著)によると、彼らは趣味や娯楽について手っ取り早くモノにしたいという欲望があり、「推し」より一歩進んだオタクは、その道のプロフェッショナル、専門家と見なされるそうだ。かつてのキワモノ、逸脱者扱いから時代は大きく変わった。
▼実はこうしたオタクによる消費行動が、紙・板紙の需要に影響している面もある。トレーディングカード(通称、トレカ)は、年々人気拡大を続けており、3千億円近い市場まで成長。中古品取引も活況だという。火付け役のポケモンカードの流通枚数は250億枚以上とされる。プラ製のものもあるが、やはり人気は厚口の白板紙製である。この需要が見過ごせない量になってきているのだ。
▼また趣味嗜好性の高い、いわゆるマニア本や関連雑誌といった類も出版不況下にも関わらず、配本が減っていないとの指摘がある。大のマンガ愛好家は、読書用と保管用に分けて、同じマンガを2冊購入するとの話を聞いたこともある。こうした「オタク需要」は、紙・板紙の消費を下支えするが、困ったのが愛蔵用として保管され、なかなか古紙としてまとまった量が出てこない点であろう。
2024年12月02日
コラム「虎視」
働き方改革によって古紙業界ではドライバー不足に陥る懸念があった。時間外労働の上限規制(年間960時間)が敷かれ[...]
2024年12月02日
ちょっとブレイク
母がヒッポファミリークラブという多言語の国際交流クラブに入っていたので、海外からのホームステイを積極的に受け入[...]
2024年11月25日
コラム「虎視」
古紙の源泉となる紙の需要にもトレンドがある。雑誌は販売部数が減り、広告も減り、そして売るための書店も減っていく[...]
2024年11月18日
コラム「虎視」
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