90年代後半に古紙価格が下落し、雑誌は史上初めて0円を割る逆有償に陥った。日本の古紙回収システムの崩壊が危惧され、ちり紙交換の廃業が相次いだ。これにより以前は民間によるリサイクルが主流だった古紙回収が、本格的に行政が関与することになる。古紙の行政回収は東日本を中心に普及し、集団回収と並んで代表的な回収方法として確立した。
▼当時は回収業者が存続できなくなるのではという危機感や集団回収の量が激減するのではないかと危惧されたが、行政回収が始まったことで市民のリサイクル意識が向上し、集団回収量も増加するという相乗効果を得た。飛躍的に回収量は増加し、回収率も世界トップ5に入るほどになった。
▼2001年から中国の台頭により、日本の古紙輸出が本格化。回収量が増えたことによる需給ギャップ分は輸出に回されることになった。この古紙輸出大国としての確立と、変動はあるが古紙価格の長期安定化により、行政回収が見直される時期に来ている。掛川市では無人回収の充実により行政回収を廃止し、集団回収の助成金を減額した。これらの施策で古紙回収経費は4年間で2,400万円ほど削減。今後他都市でも、無人回収が行政回収に取って代わるか。
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