▼国内の余剰玉を海外へ。かって日系商社は関東を中心とした全国の古紙問屋から頼まれ、海外メーカーを案内するなどして輸出市場を開拓してきた、いわば輸出市場開拓の先兵となってきた。2000年代初めから2008年のリーマンショック前までは、日系商社と国内問屋にとってはまさに蜜月の時代だったといえよう。ところがリーマンショックによる輸出価格の大暴落で日系商社は大きな痛手を受けて輸出事業を見直すことに。代わって台頭してきたのが中国系商社である。
▼中国系商社の肥大化という現象は、日本だけでなく米国や英国でも起こっている。過日、英国の業界紙に非難記事が出た。「中国の大手バイヤーが我々輸出業者が提示できないような高い価格を出して、我々を市場から閉め出そうとしている」と。これに対し中国大手バイヤー側は「我々は月数千トンを輸出する業者でない。毎月数十万トンを供給しなければいけない。時に他の業者よりも高い価格を提示するのはより多くの数量が必要だからだ。市場から閉め出すという非難は当たらない」と反論する。
▼米国でも中小規模の独立系のブローカーや商社が減った。米国の輸出市場は巨大だが、中国は価格をつけることで市場ごと買っているとの声も聞かれる。
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