2022年6月13日 オピニオン » 1479号

コラム「虎視」

コラム「虎視」

 ロシアという大国は、世界史に出てくるまでに時間がかかった。その理由は、ロシア平原を通過する遊牧民の存在だった。ロシアの始祖の国は、嵐のように現れた遊牧民にその都度文明を滅ぼされて殺された。ロシアはその立地的に常に外敵に怯え、それがロシア社会の原質となっている。ロシア人国家の初めての形成は8世紀で、今のウクライナのキエフの地であった。しかしその後13世紀からは、当時世界最強と言われたモンゴルに250年間支配される屈辱を味わった。

▼ロシアは現在、世界一広大な国土を持つ。面積は1710万平方キロメートルで、日本の約45倍の広さを誇っている。人口は約1億5千万人で世界第9位。ちなみにソ連時代は、面積は2240万平方キロメートル、人口は2億9000万人だったので、ソ連の崩壊後に面積の24%、人口の48%を失ったことになる。

▼2000年にプーチン大統領が就任してから、ソ連時代の栄光を取り戻し、大国としての復活を目論んできた。クリミアを併合したのが2014年。ウクライナから離れて突如独立したクリミアは、望む形でロシアの一部になった。そして今回、ウクライナの東部で親ロシア派が独立運動を起こし、ロシアがそれを支援するという名目で侵攻した。

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