▼大王製紙の現経営陣と創業家の溝が深まっている。グループ会社の株式買取りを巡ってである。佐光社長は子会社から株の買い戻しを粛々と進めるが、元顧問の井川高雄氏が買取価格や交渉プロセスを理由に反発。高雄氏は、日経のインタビューで製品を競合他社に販売する可能性も示唆するなど、問題収束の長期化だけでなく、グループ各社の分裂の危機にも瀕している。
▼関連会社間の株式持ち合いの構図は複雑だが、製品や原料の流通ルートも入り組んでいる。古紙については、同グループで昨年の消費量が判明しているのが大王製紙の119万トン、いわき大王製紙の43万トン、大津板紙の23万トン。他に消費量は未発表だが、本紙推計で大成製紙が10万トン、大宮製紙で3万6,000トン。グループ全体での消費量は年間200万トンほどになる。
▼古紙の調達ルートが大王製紙だと東と西で異なる。関西や四国、九州などの西からは資材担当(資材第二課)が調達するが、関東を中心とした東では関連会社である東京紙パルプ交易が仕入れる。同じ関西でも大津板紙は自社で原料を買い付け、関東でもいわき大王製紙は独自に調達。同じ地区であってもグループ内で複数の古紙調達窓口が存在しているわけだ。
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