2020年11月9日 オピニオン » 1401号

コラム「虎視」

コラム「虎視」

 日本ほど新聞の宅配制度が充実している国は他にない。日本の宅配制度は明治時代に普及した。国産の洋紙生産開始と印刷技術の発展、江戸時代から国民の識字率が高く、政治・経済や日清・日露戦争に対する国民の興味が増加。新聞への注目度が高まり、後に新聞販売店となる売り捌き店が各地に拡がった。

 ▼日本で宅配される新聞には折込チラシが入っている。以前は新聞を1部購読していると年間3000枚のチラシが入ると言われた。主要日刊紙の年間発刊日数が353日なので、発刊日数で割ると1日平均8.5枚になる。新聞に占める重量比はピーク時では半分もあった。以前は、主婦が生活の要である折込チラシ欲しさに、新聞を購読しているケースも多かった。また新聞のテレビ欄が必要なので新聞を購読する人もいた。

 ▼日本の宅配制度は前述の通り折込チラシが重量比で3割~4割、多い時では5割混入されており、新聞古紙の回収量・回収率を水膨れさせている。18年の新聞古紙の回収率は149.6%だった。しかし米国でも新聞古紙の回収量だけを見ると水膨れしている。米国はチラシの混入がないのに何故か。シングルストリームによる混載収集と資源化設備の選別では、単に異物混入量が多かったのだ。

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