
今号で紹介した熊谷紙業は、90年代から古紙パルプ生産を試行錯誤してきた。本紙268号(97年10月)を改めて読むと興味深い。当時の状況は、既に古紙余剰が問題になっていたが、今後自治体による行政回収が始まり、更に00年から容リ法で紙製容器包装の回収が始まる時期で、古紙の余剰が更に進むことが確実視されていた。そこで国家予算を投じて古紙パルプ生産設備を各地に開設し、需給ギャップを解消する提案をした。
▼その古紙パルプの用途の考案がユニークだった。古紙パルプを主原料にして棺を造れば、かなりの需要が生まれると話していた。当時の試算では、日本の1年間の死亡者数が約100万人。1つの棺の販売価格を20万円と設定すると、年間で2000億円市場になる。古紙パルプ設備を各地に開設しても、十分にペイできるというものだった。
▼あのまま日本で古紙の余剰が続いていたら、実現する可能性があったかもしれない。近年では段ボールベッドの知名度が上がり、災害用などに日本各所で使われるようになっている。強度では、人が乗っても問題がない耐久性があるので、木製に代わって古紙パルプ製の棺が出回っても不思議ではない。日々の生活だけでなく、人生の終焉にもエコを求める時代が来るのか。
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