2019年3月4日 オピニオン » 1318号

コラム「虎視」

コラム「虎視」

 飲料メーカー大手のキリンが、段ボール古紙の国内循環の仕組みを構築する。同社はパッケージに年間10万トンもの段ボールを使用し、キリンビバレッジやキリンビールの工場や支店等から、配送後の使用済み段ボールが年に7,000~8,000トンほど発生する。この収集について問屋と交わした契約を見直し、国内製紙メーカーへ古紙を安定供給させる。

 ▼古紙の輸出価格の高騰を受け、段ボール市況は2年連続の値上げに直面する。値上げ交渉の大詰めでの新たな仕掛けの登場に、商社や段原紙メーカーによる懐柔や拡販の狙いとともに、エンドユーザーが将来的にコスト圧縮に繋げたいという思惑も入り混じる。特定のメーカー、ユーザーの間で古紙を循環させるクローズド・システムは、かつてPPC用紙や新聞用紙でもみられ、ついにその流れが段ボールにも来たわけだ。

 ▼この仕組みでは、古紙問屋は物流機能を担うだけで、自由に売買することができない。古紙市況の上下に拠らず、特定のメーカーへの納入が義務付けられ、物流経費だけが排出者側から支払われる。国内向け優位の価格体系の今だからこそ、こうした縛りも受入れられる。似たスキームによる営業も活発化しているといい、他のエンドユーザーにも一定の広がりをみせそうだ。

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