2026年10月26日 オピニオン » 1694号

コラム「虎視」

コラム「虎視」

 サイバー攻撃や情報漏洩のニュースが、連日のように流れてくる。人が築いた仕組みの隙をAIが突く。その攻防は果たしてどこまで激しくなるのか。古紙業界も対岸の火事ではなく、スーパーなどに設置されたポイント制の古紙回収システムにも、サイバー攻撃の影響が及んだ。情報漏洩には至らなかったというが、いまや全国約2千ヵ所に広がる回収インフラであり、動向が気にかかる。

 古紙の発注には、いまもFAXがよく使われる。昨年、サイバー攻撃を受けたアサヒグループが、受注や出荷の一部を電話やFAXでつないだと報じられた。その点、古紙業界には日頃の蓄積がある。時代遅れとされがちなFAXも、人の手で扱え、しっかり紙に記録が残る。業務をつなぐ手段として、思わぬ底力を発揮するときがある。

 2021年には、米国の製紙メーカー・ウエストロックがランサム攻撃を受け、生産や出荷に支障を来した。減産量は約11万5千トンに上ったという。日本の製紙でも段ボール分野を中心にスマートファクトリー化が進んでいる。生産設備やサプライチェーンを支える情報システムは、もはや生命線だ。最新技術を使いこなしつつ、止まったときにどう持ちこたえるか。その両方への備えが試されている。

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