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海外ニュース【中国・北京】

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2003年10月1日

回収ボックスと秤だけの回収ステーション。回収人が常駐していて、住民から資源物を買い上げる

中国の製紙工場の現場では日本を上回る最新鋭の大型マシンが稼働するようになっていますが、家庭やオフィスからの古紙回収の機動力はまだ自転車や三輪車で、回収会社(タテバ)のヤードにも計量器以外の機械類(プレス機やフォークリフトなど)がなんにもないという、アンバランスなところがなんとも中国らしいところです。広東省や上海では古紙回収の現場を見学できなかったのですが、北京で初めて見学することができました。ただ回収人が機動力を持ち、回収会社が機械化・大型化するにはまだまだ時間がかかると思われました。

ところで、中国の古紙回収は計画経済下では国有の再生資源回収機関が100%シェアを持ち、唯一の古紙供給業者だった。改革・開放経済つまり市場経済になり、1990年代に入って雨後の筍のように回収人や回収会社が現れたと想像できます。これらの回収人は都会の人たちというより地方から出てきた人が多いのでないか。回収人ー回収会社ー製紙会社あるいは回収業者(大口の発生先を持つ業者)ー製紙会社というのが中国の古紙の流れです。

日本のようにヤードを構え、大型のプレス機などを持った問屋がいません。日本の松本光春商店(本社・高松市)が北京で大型プレス機などを持ったヤード経営に乗り出そうとしており、話題を集めていました。大量集荷の先鞭を日本の古紙問屋がつけるかもしけません。

北京市で集団回収に似た回収方式が普及

北京市の人口は1,300万人とか。東京都全体の人口が1,200万人ですから、それよりもちょっと多い。14の区があり、14区全体に古紙を含めた再生資源の新しい回収方式が普及しつつあります。日本の集団回収に似た方式です。中でも海淀区の回収実績が一番上がっているとのことで、この海淀区の団地に出かけました。海淀区では500世帯から1,500世帯ごとにひとつ、回収ステーションがあり、住民がそこに古紙などの資源物を持ち込んでいました。このステーションは小屋のような事務所のあるところと、ただ回収ボックスと秤が置いてあるだけのところがありました。

日本の集団回収ですと、回収ステーションに住民が出したあと、自治会や町内会と契約を交わした回収業者がトラックやパッカー車で引き取りに行くわけですが、北京の海淀区の場合、回収ステーションに回収会社から派遣された社員が常駐(張り付く)しており、住民が持ち込むとその場で計量し、有価で買い受けてくれます。社員の勤務時間は朝9時頃から夕方5時頃まで。住民からの買値は新聞0.8元、雑誌0.7元、段ボール0.4元。いずれも単位はキロ。為替レートが1元15円なので、日本円では新聞12円、雑誌10円50銭、段ボール6円です。段ボールはもう少し高い場合もあるものの、年間を通じておおむね固定しているようです。

日本の集団回収の買値より遙かに高いわけです。日本だと新聞で2,3円です。買値だけでなく、日本の集団回収との決定的な違いを挙げますと、①回収会社から派遣された社員が常駐している②目の前で計量して代価をくれる③彼らの機動力が自転車、三輪車で、トラックやパッカー車は皆無であるーことです。ただ海淀区のような回収方式が定着すると、流しの回収人はいなくなるのではと思いました。日本でも集団回収が定着して、流しのちり紙交換人がいなくなっていったいったように。

回収会社はバラバラで営業しているのでなく、流通団地に入居して営業している

北京市朝陽区にある再生資源取引市場を訪問しました。北京市内からはかなり郊外になります。回収会社(タテバ)が80軒くらい集まって営業しており、日本式にいえば流通団地でした。朝陽区だけでこうした流通団地は6ヵ所あり、訪問した流通団地の正式名は北京中興姚家園廃旧物資回収市場といいます。この流通団地を経営する会社はここを含めて4ヵ所の流通団地を経営しているとのことでした。この流通団地に入っているタテバは古紙よりも鉄スクラップを扱うタテバが圧倒的に多く、古紙を扱う業者は全体の1割もないような印象でした。

日本でタテバというと、問屋に古紙などを納入する再生資源全般を扱う集荷業者のことを指しますが、北京のタテバは古紙なら古紙を専門に扱い、分業していました。団地全体の広さは13,000平方メートル、約4,000坪です。従ってタテバ1軒当たりのヤードのスペースは平均50坪くらい。ただタテバによってスペースにバラツキがあるようでした。

古紙を扱うタテバは計量器以外に機械らしい機械はなく、選別からトラックへの積み込み作業まですべて人海戦術による手作業です。プレス機もフォークリフトもないタテバをみて、これでは集荷量が限られると思いました。月100トンも扱えるのかどうか。タテバは流通団地を経営する会社に管理費を支払っています。支払う金額はスペースの広さというより、売上や扱い数量に応じて支払っているようでした。

翌日、市内に近い海淀区のタテバを訪問しましたが、ここも10軒くらいのタテバが軒を並べて営業していました。ただここは古紙だけのタテバが集まり、職住一緒のような雰囲気でした。前述の流通団地は職住が別と聴きました。また前述の流通団地は発生先(スーパー、デパート、紙加工工場など)からの持ち込みが多いように思えましたが、ここのタテバは回収人からの持ち込みに依存しているようでした。

回収人の機動力は自転車、三輪車ですから、さらに集まる量は少ないわけです。月数10トン集まるのかどうか。またこういう小さくて職住一緒のようなタテバの団地は、北京政府から郊外の流通団地に移転するよう、指令があるかもしれません。街の景観のためです。このため、ここのタテバの親方は「いつまでここで営業できるか分からない」と不安そうに語っていました。

北京造紙第7工場を訪問

北京で回収される古紙は約100万トンか。北京市通州区に北京造紙第7工場があり、北京の製紙工場はここだけです。第7というくらいですから、かっては7ヵ所の工場があったようですが、公害規制や業績不振で廃業していったようです。製紙工場がひとつしかないので、北京で回収された古紙の大半は河北省や山東省の製紙会社に販売されていました。北京造紙第7工場は国有企業で、再生印刷用紙と包装用紙(板紙)を生産していた。マシンは2台づつ4台あり、月産6,000トン。生活用紙(家庭紙)も生産していたが、夏頃に中止したとのこと。儲からなくなったのだと思います。北京造紙によりますと、再生印刷用紙の生産では中国でもっとも大きいと語っていました。

中国でも印刷用紙はパルプものが中心で再生紙は少ないのかもしれない。同工場で使用する古紙は段ボールが1日当たり120トン~150トン、上物古紙が同70トン~80トン、この他非木材パルプを同60トン使用していました。輸入古紙は一切使わず、すべて国内古紙です。上物古紙は模造、ケントなどの産業古紙が80%、残りの20%が機密文書類。廃棄紙幣もこの工場で処理されており、国内唯一の処理指定工場でした。機密文書はすべて有価で引き取っており、日本のような逆有償ではありません。どのような種類の古紙であれ、中国の物価からみて古紙は高価で貴重品なのです。

原料置場から工場内のマシンまでみせてくれました。原料置場にはみたこともないような旧式のプレス機があった。さすがに効率が悪いのか、大型のプレス機、日本のベーラーのようなプレス機の導入を検討していると語っていました。古紙をバラでは長期保管が難しいからだと思われます。上物古紙は野積みしていましたが、段ボールは屋根付きの倉庫に保管されていた。国内で回収されたものなので、かなり夾雑物(段ボール以外の古紙)が混ざり、品質、歩留まりは悪そうです。帰りがけ、張工場長は来年は民営企業になっているかもしれないとポツリ。国有企業は生産効率が悪く(生産性が低い)、思うような設備投資ができないのかもしれません。

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