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コラム【虎視】1060号

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2013年12月2日 1060号

コラム「虎視」

▼11月17日に発売されて瞬く間にベストセラーになっているのが『溶ける』という本。大王製紙前会長・井川意高の懺悔録と見出しが付いている。第1章の「極限」はプロローグ、第2章「追憶」では幼少期の描写や鬼軍曹である父への葛藤、現役で東大に合格にするまでの学生時代、第3章「邁進」では大王製紙に入社してから、第4章「君臨」では社長就任とビジネス観、第5章「疼き」では様々な有名人との交友録、第6章「放熱」ではギャンブル歴、第7章「溶解」では子会社7社から総額106億8,000万円の借り入れが判明、第8章「廃燼」では懲役4年の実刑判決が出てからの懺悔と反論という構成になっている。

▼幼少期から絶対的な存在である父からプレッシャーを受け続けたこと、社長に就任してすぐにリーマンショックの煽りで売り上げが激減したこと等、多少同情する余地はあるものの、会社のお金に手を付けたことは断じて許されることではない。世間に与えた影響も大きく、御曹司の転落人生をマスコミは面白おかしく書き立てた。読み応えがある内容だが、残念なのは全編に渡って自己弁護が多い点。懺悔本と謳いながら、自分を認めてくれなかった父への反抗心と責任転嫁が根底にあるように感じた。

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