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古紙ジャーナル バックナンバー

【家庭紙】
今後三カ所で年十万㌧超の設備が新稼働
観光客増等でパルプ品中心に増設ラッシュ

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2017年5月22日 1230号

近年の家庭紙の新マシン増設の一覧

 家庭紙が増設ラッシュの様相だ。五月に入り王子HD・三菱製紙連合も新たな家庭紙事業の計画に名乗りを上げた。今後三年間でパルプ品を中心に内需の約五%に相当する年産十万八千トンが新たに立ち上がる。まるで二〇〇七~〇八年に起きた四社四台による印刷用紙マシンの増設の再来をみているかのようだ。再生紙品でも設備のスクラップ&ビルドなどで生産体制を増強する動きがある。需要は拡大基調にあるものの、インバウンド効果の反動リスクもあり、輸入品も一割近いシェアまで浸食する。印刷用紙はその後の不振に苦しんだが、家庭紙メーカーの公算はいかに!?

 増設ラッシュの背景には、観光客増などによる今後の需要増の見込みが強いため。過去五年間の家庭紙市場の内需は十三万トン伸びた。年間平均伸び率は一・四%。この間、訪日観光客数も八百三十六万人から二千四百四万人までの三倍近くに伸びており、家庭紙需要を牽引した。政府は二〇二〇年の目標を四千万人と据えており、今後も好調な家庭紙需要が期待できる。品種別でみると、①ティッシュは生活必需品としての底堅い需要とともに、保湿ティッシュなど高付加価値品による需要の掘り起こし、②トイレットペーパーはインバウンド効果による需要増大、③タオル用紙は商業施設・ホテルの増加に伴う業務用需要の拡大が見込まれる。

 ただし、競合する輸入紙の流入も増加の一途で、二〇一六年は十八万七千トンで内需の九・三%を占めた。また観光客数は自然災害やテロなどの要因で大きく下振れするリスクがあり、オリンピック後の景気動向も不透明感が強い。

不透明感増す製品市況

 製品市況に関しては、最近のパルプ安から、パルプ品の製品価格が下落。一方の古紙価格は高止まりし、再生紙品との価格差が縮小した。その結果、トイレットでは再生紙品のシェアを五ポイントほど奪われ、パルプ品:再生紙品との比率は四二:五八と、パルプ品が拮抗しそうな勢いがある。

 この五月から、パルプ品と再生紙品の主要メーカーが製品値上げを打ち出しており、価格体系の立て直しを図りたいところ。だが、価格修正の動きは鈍く、浸透するのは早くても秋頃との声も出始めた。相次ぐ増設で将来的な価格政策の行方も不透明感を増す。上物古紙の発生減も響き、中小の再生紙メーカーの中には、再生紙品にパルプを配合し、中間の製品価格帯を狙うなど、打開する動きも出始めている。

王子・三菱も増設へ

 近年の家庭紙の増設一覧(スクラップ&ビルドを含む)を左上表にまとめた。王子HDと三菱製紙は合弁事業によって約五十億円を投資し、三菱製紙・八戸工場内に新たな家庭紙生産設備を設ける。ティッシュ・トイレットロールを年間一万八千トン生産できるマシンを二〇一九年四月に稼動する予定だ。

 王子HDは「ネピア」ブランドの生産地が東北エリアから遠く、供給で苦戦していたことが背景にある。また三菱製紙はグループで家庭紙事業を手掛ける北上ハイテクペーパー㈱(岩手県北上市)が年間七千三百トン生産し、自社ブランド「ナクレ」を東北エリアで販売してきた。

 新マシンにおける両社による生産比率は未定としているが、三菱は北上での生産分の一部を除いて八戸に集約する。一部というのは、他メーカーへのOEM生産があるため。また八戸工場での生産品種は、パルプ品が中心になるとみられるが、印刷用紙向けのDIP設備も備えているため、再生紙品の生産も不可能ではないとされる。

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