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古紙ジャーナル バックナンバー

【生 協】
自らベーラー備えたリサイクル施設が急増
障がい者雇用し、古紙問屋等に入札で売却

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2017年5月15日 1229号

生協が運営する各地のリサイクル施設
生協が運営する各地のリサイクル施設

 インターネット通販事業を巡り、ヤマト運輸とアマゾンによる運送コスト負担の問題がクローズアップされたが、日本にはグローバル企業のアマゾンを超える宅配ビジネスの強者がいる。生協だ。二〇一五年度の生協の宅配事業による売上は一兆七千億円とアマゾンの約一兆円を上回る。厳選された食料品から生鮮品まで扱い、宅配と店頭による販売網を築いた。生活インフラとして定着しただけでなく、自前で物流機能も備える。そんな生協による自前のリサイクル施設が各地で急増中だ。環境・福祉の取組みの一環で現在、全国で十二カ所まで増え、計画段階のところも複数ある。

ベーラーを問屋から買取

 愛知、岐阜、三重の東海三県をカバーする東海コープ事業連合。八十六万人の組合員を抱え、二十七店舗の実店舗を構える。同連合会では、二十年ほど前から物流機能を有する商品セットセンターにベーラーを導入してきた。現在、四カ所あるセットセンターのうち、三カ所のベーラーは近隣の古紙問屋が設置。所有権も問屋が有していた。

 発生する古紙は、組合員から回収した商品カタログだけで、二〇一五年度に計八千七百トンに上った。他にも梱包材の段ボールが一定量あった。カタログは王子製紙春日井工場で生産した印刷用紙を使い、凸版印刷が印刷したもので、古紙として再び王子に納入するというクローズド・リサイクルの仕組みを構築していた。

 環境配慮も万全に映ったこの流れが変わったのが二〇一六年三月。同連合は、三社の問屋からベーラーを買い取り、自らプレスした段ボール古紙を入札販売する方式に切り替えた。ベーラーは簿価プラスアルファの価格で譲渡したとされる。また、自前で通称「エコセンター」を立ち上げ、新たにベーラーを導入。回収した商品カタログを一括してここへ持ち込み、同じようにプレスした後、入札で売却している。

 生協の場合、高い環境意識とともに福祉分野の取組みに重点を置くことが背景にある。このエコセンターも特定子会社である㈱ハートコープあいちが運営し、障がい者数名を雇用している。地域社会に溶け込んだ生協は、介護が必要な高齢者や障がい者をサポートする事業を各地で展開している。

紙のカタログ注文が主流

 生協やコープの愛称で親しまれる日本生活協同組合連合会は、五百六十八の各地の会員生協から成り立つ。東海コープ事業連合は傘下にある組織で、ちょうど全原連と愛知県古紙協同組合のような関係である。全国の売上規模は二〇一五年度に二兆九千九十億円だった。そのうち宅配事業の売上は一兆七千五百億円で、世帯加入率は三七・七%。個人宅配だけで売上は一兆千九百億円に上った(残るはグループ宅配)。

 小売でありながら、これほどの宅配能力をもっている事業者は他に見当たらない。これまで様々な大手小売業者が食料品のネット通販に挑戦しながらも、生協の牙城を崩せず、不振に終わってきた。またアマゾンも書籍や物販では強いが、生鮮品までは踏み込めていない。物流業者の反発で逆風が吹くアマゾンだが、自ら宅配機能を備える生協は、さらにニーズを掴むとみられる。

 また紙のカタログとOCRを使った注文方式がいまだに主流で、インターネットによる注文はわずか三〇%。カタログで使用した大量の紙が発生することも、生協の宅配事業の特徴だ。

障がい者雇用と入札売却

 生協によるリサイクル施設は、二〇〇〇年代中頃から現れ、各地に広がった。本紙で把握しているだけで、十カ所ある。生協の本部はリサイクル施設の実態を把握しておらず、各会員生協間の横の繫がりから、連鎖的に広がったとみられる。

 近年、特に目立つのは、障がい者の雇用と入札制による売却である。障がい者雇用は、広島県尾道市のコープCSエコセンターが端緒となった。別法人の特定子会社が運営を担い、安全対策を施したリサイクル施設で障がい者が働く。これが東海コープやハートコープさがのモデルとなった。また入札制による売却は、千葉県野田市のコープネット事業組合エコセンターが始めたことで、他の生協リサイクル施設にも波及した。概して西は障がい者雇用の福祉的側面が強く、東は入札で高値売却する色が強い。

 最近では愛知、神奈川、佐賀の生協でリサイクル施設が立ち上がった。愛媛、高知は来年度中に立ち上がる。奈良、京都、石川でも将来的な構想があるようだ。生協の場合、環境配慮や福祉が念頭にあり、問屋のヤード機能をもって対抗することが難しくなっている。

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