トップページ > 古紙ジャーナル バックナンバー >

古紙ジャーナル バックナンバー

【米国西海岸の古紙市場③】
理文造紙の米国調達商社トップにインタビュー
性急な上昇は短期間で下がると市況予想

カテゴリーカテゴリー:古紙ジャーナル バックナンバー

2017年4月3日 1224号

ラリソン インターナショナル 代表取締役(CEO) バイロン・ルオ氏

 二月に米国を訪問した際、中国の板紙大手である理文造紙の古紙調達商社、ラリソンインターナショナルのCEOバイロン・ルオ氏にインタビューを試みた。同社は、米国から主に中国の理文造紙の工場向けに年間約百四十四万トン(本紙推計)を供給しており、米国の輸出市場において、キープレーヤーの一社である。歴史的な高騰時の訪問だったが、「今回の上昇ペースも早過ぎる。短期間で下がるだろう。だが、過去の水準に戻ることも容易ではない。」と三月以降の市況の流れを示唆していた。

ー貴社の事業概要について、教えてください。

 「ラリソンは理文造紙の米国における古紙調達商社である。原料の古紙を調達することが主な事業で、大半の古紙は中国の理文造紙の工場に納めている。このオフィスでは三十名ほどの従業員が働く。ロングビーチには倉庫を構え、六十のプラット・ホームを備えている。内陸から運び込まれた荷を、この倉庫でコンテナ車両に移し替えることができる。また小さな物流会社を運営しており、ここが港までの配送も手掛ける。倉庫から港までは約二十マイル(=三十二キロ)。米国各地から調達しており、ロサンゼルスやオークランドが多く、ニューヨークも拡大中である。シカゴやダラス、ヒューストンなどの米国中央部やカナダからもある。またブラジルやメキシコからも少量を買っている。」

ー理文造紙のグローバルな古紙調達戦略について聞かせて欲しい。米国はどのような位置づけか?

 「戦略的な観点は、理文本社に直接聞くほうがいい。私の見地から言えることは、中国で国内古紙の供給量が増えているということだ。工場周辺に自前の古紙ヤードをいくつか構え、地場の古紙を調達する能力が高まっている。供給ルートが多様化し、欧州や英国、日本への依存度は減り、国内品がこれに取って替わってきた。」
 「米国も似たような状況だが、その依存度は急激には変わらない。影響度はより小さく、ゆっくりしたものだ。なぜなら米国の古紙は繊維強度が強く、代替えが効かない。米国品は代替の最後の選択肢だろう。ただ最近までこの見方も正しかったが、中国や日本からのパッケージが増えるにつれ、禁忌品の混入が目立ち、古紙の品質も以前ほど良いものではなくなった。」
 「一方、日本は飲み物や青果物などを米国から輸入し、多くの段ボールが流入。古紙の繊維は良くなっている。中国も同様である。ウォールマートなどの大手流通企業がパッケージを中国に持ち込み、発生する古紙の繊維は良くなった。この変化は理文造紙のグローバル戦略にも影響を与えている。」

―米国で自社ヤードを展開する考えはあるのか?

 「古紙ヤードを構えるつもりはない。まったく異なるビジネスである。自社ヤードは難しいだろう。日本紙パルプ商事は日本でヤード運営のノウハウを持っており、あらゆる方面に事業展開している。我々の関心は、顧客の古紙問屋を獲得することにある。設備やキャッシュが必要ならば、資金面で援助もできる。影で支えることはできるが、自分達でヤードをやるつもりはない。安全や労務、管理、設備といった専門的な知識が必要となってくる。それらは煩雑すぎるので、我々は古紙問屋から仕入れて、配送や海上運賃といった物流に力を注いでいく。」
 「契約上のミスは、コストがかかる。古紙の品質を管理できず、酷い物流だったら、大きな損失も被るだろう。なので、いかに品質の高い古紙を仕入れて、それをスムーズに供給するかが、我々の使命である。」

ーペーパーレスやネット通販の拡がりといった紙市場の構造的な変化に、どのように対応していくのか?

 「欧州の古紙需給はよりタイトになっている。新聞用紙マシンが相次ぎライナーマシンに転抄。洋紙需要が落ち込み、ライナー需要が伸びている。理論的には、生産量が伸びれば古紙の発生も増えるので、同時に古紙の供給も伸びていくはず。だが、紙の流通そのものが変わりつつある。」
 「平均的な回収率は六五%。店舗や配送センターから七五~八〇%の段ボールは回収される。だがアマゾンのようなネットショップを経由すると、パッケージが直接家庭に配送される。そうすると五%ぐらいしか回収できない。これは需給関係にも関わる。このトレンドに合わせ、どのように古紙調達を変えていくか、考えざるを得なくなっている。」

(6172文字中、1,532文字を掲載)

※当WEBサイトに掲載している記事・データは本紙掲載記事の一部です。本紙面には詳しい概要も掲載しています。見本紙をご希望の方には1ヵ月間無料でお送りしておりますので、お気軽にご連絡下さい。

こんな記事も読まれています

どうぞお気軽にお問合せください

(有) 古紙ジャーナル社

TEL:0742-72-1798 FAX:0742-90-1461

メールアドレス:info[at]kosijnl.co.jp ([at]を@に変えてお送りください。)

  • TEL:0742-72-1798
  • FAX:0742-72-1810 印刷用PDFを開く

古紙問屋、製紙メーカー、商社、団体等の古紙関連のニュース、自治体、輸出実績、輸出価格、国内価格、海外事情、その他リサイクルのニュースを週刊でお届けします。
>>詳しくはこちら

  • 購読のお申込み
Top