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古紙ジャーナル バックナンバー

【米国西海岸の古紙市場②】
大半を中国を主とするアジア向けに輸出
国内段原紙工場少なく、価格変動の波にも直面

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2017年3月27日 1223号

セイフシュレッドの外観

 今週号では、JPの米国カリフォルニア州にある二ヤードに焦点を当てる。セイフシュレッドとJRSリソースの本社ヤードで、セイフシュレッドは機密処理サービスと多種の古紙を扱っているのに対して、JRSリソースは主にOCC(段ボール)の扱いに特化し、ロングビーチ港にも近い立地性を活かした運営が特色だ。アメリカ西海岸は輸出を中心とする古紙市場で、多数のヤードによる過当競争にもなっており、①需要の旺盛な段ボール古紙の扱い量拡大、②効率的な物流ルートの構築、③コストを抑えたヤード運営がカギとなっている。

米進出は後発だったJP

 一九九〇年代、日系商社で米国に進出したのが、兼松、住商、丸紅、JPの四社だった。JPはもっとも後発で、一九九八年の進出だった。各社とも米国で古紙ヤードを構え、集めた古紙を日本に輸出するのが狙いだった。ところが、二〇〇〇年代に入り、中国で古紙需要が急増するとともに、日本が輸出国に転換するなど、需給構造が大きく変わった。日系ヤードは役割を終えて次々と撤退した中、後発だったJPのヤードが唯一残った日系資本のヤードとなっている。
 JPの古紙事業での米国への本格的進出の第一歩となったのが、一九九八年にグループ会社化したカリフォルニア州のセイフシュレッドである。二〇〇〇年からは機密処理の他に、リサイクルと呼ぶ一般古紙の回収事業にも着手。中国の古紙輸入量が急増する中で、段ボールなど扱い量を伸ばしてきた。また機密破砕も紙以外に電子機器や、知的財産保護の観点から廃棄すべきパテントものといわれる特許品や人気ブランドのアパレル用品などに扱いを広げている。
 このようにセイフシュレッドは、時代の変化に合わせて扱い品目を拡充し、ヤードの役割を多様化させてきた。一方で、仕入れ競争も激化する中、いかにオペレーションコストを抑えるかが今後の課題となっている。現在の扱い量は月間約九千トン。通常のランニング在庫は、二千~二千五百トン。訪問する直前の二月中旬、カリフォルニア州では豪雨が続き、古紙回収が一時停滞。需給逼迫に拍車をかけたようだった。セイフシュレッド構内でも、随所にぬかるみが残っていた。
 品種別にみた古紙の内訳は、OCCが大半で、その他にONP、CBS、SOP、DLKを扱っている。扱い量の大半を輸出に振り向けており、輸出先は中国を中心としたアジア向けである。

SOPは需要増でCBSの価格に接近

 米国西海岸でCBS(色上)は、印刷工場からの発生が多かったが、紙媒体そのものの縮小や人件費の高騰などから、カリフォルニアから印刷工場は移転、減少する傾向にある。SOP(込頁)は、シュレッドされたものも含まれるが、抄き色の混入が一〇%未満であればOP1、抄き色が多く入っていればOP2に区分される。DLK(新段)はオールブラウンのものがAグレード、ホワイトトップを含むものがBグレードと呼ばれている。ONPは家庭から排出されたものとは別に、印刷工場から発生したオーバー・イシュー(残紙)もある。
 PPWのOBM市況によると、ひと昔前はCBS・WL(模造)とSOPの間で一〇〇ドルほどの価格差があったが、現在では数十ドルほどまで近づいた。CBS・WLが高すぎたこともあったが、底堅い上物古紙の需要から、割安感のあるSOPの価格が引っ張られてきた。日本ではWLは直接パルパーに投入できるという含みから「釜入れ模造」とも呼ばれ、品質保証に近い意味合いも含まれていたが、安定品質の確保が徐々に難しくなり、需要としてはやや弱含んでいる。

機密処理は扱い品目拡大

 セイフシュレッドの敷地は約六千坪(約二万平米)。従業員は平均して六十人前後で、業務の多寡に応じて臨時職員などを雇うため、増減が生じる。機密処理とリサイクル(一般古紙回収)の業務が半々ずつである。
 ベーラーは三台備えており、一般古紙用に使うベーラーには、二つのコンベアラインを連結。一つはOCCの専用ライン、もう一つはCBS・SOP・ONPのラインで、コンベアからベーラーへの投入を切り替えながら使用している。

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