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古紙ジャーナル バックナンバー

【米国西海岸の古紙市場①】
中国の旺盛な需要でOCCが歴史的高値圏に
JPは3ヤードで年間計27万トン扱う

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2017年3月20日 1222号

JRSリソースの
フェニックス・プラントの外観
JRSリソースの フェニックス・プラントの外観

 米国発の古紙市況が急騰を続ける中、二月に日本紙パルプ商事(以下、JP)の米国における三カ所のヤードを訪問した。JPはカリフォルニア州に、セイフシュレッドとJRSリソースの本社プラントの二ヤードがあった。昨年四月にはアリゾナ州フェニックスにJRSリソースとして二番目のヤードをオープン。この二社三ヤード体制で、年間二十七万トンの古紙を取扱い、大半をアジア(中国)向けに輸出している。今週号ではもっとも新しいJRSリソースのフェニックス・プラントを取り上げたい。

『アマゾン効果』による品質悪化を懸念

 米国における古紙プラントは、スーパーマーケットやオフィスなどから発生する事業系古紙を中心に主に扱うプラントと、低品質の家庭系古紙を扱うため大規模な選別ラインを備えたプラントに大別される。
 JPが米国で展開する三カ所のヤードはいずれも前者に該当する。スーパーの物流センター等から発生する事業系段ボール古紙の特徴は、リサイクルを前提に分別がなされていることから、品質が概ね安定しており、ごく稀に食品廃棄物が混入してくることがある程度である。
 一方、後者は、ウエストマネージメントやリパブリックサービスなどの廃棄物系業者が進出している。従来、選別ラインでは多くの人手を使って選別していたが、最近では最新鋭のオートメーション化された設備も現れ、人手をほとんど使っていない。こうした選別ライン付きのプラントは、MRF(資源再生施設)とも呼ばれるが、今回は訪問するチャンスがなかった。家庭系古紙の特徴は、シングルストリーム回収(混載収集)といって、瓶や缶などの資源物全般を一緒くたに集める方式が主流。古紙プラントの高精度な選別ラインで見た目は従来に比べ良くなっているものの、やはり品質は劣り、特に臭気が残ることは避けられないという。

 米国の古紙業界では、昨今『アマゾン効果』というネットショッピングの広がりによる古紙品質面への影響が懸念されている。スーパーの買い物がネットショッピングに変わり、梱包に紙以外の緩衝材や、ノーカーボンなどの伝票類、梱包テープなど、リサイクルに適さない異物の使用が大幅に増えている。これにより、低品質ながらも段ボール古紙として選別されていたパッケージ類も一部MIX古紙として扱われるようになり、発生量の低下を招く事態になっている。
JPは米国の三ヤードで二十七万トン扱う

 今回の訪米はJPのプラントを訪れるとともに、主に米国OCCの動向から高騰する市況の行方を探ることが主目的であった。現地では、三カ所あるヤードをセイフシュレッドの代表を務める藤澤氏に案内してもらった。
 最初に訪問したのが、アリゾナ州にあるフェニックス・プラント。JPにとって米国内で最も新しく、三カ所目のヤードである。ちなみに、一九九八年に稼働したカリフォルニア州のコマース市にあるセイフシュレッドが最初のヤード。二〇一〇年十二月に中華系資本と合弁でJRSリソースを設立し、翌春に同州のコンプトン市に二カ所目のヤードを開設した。昨年四月に稼働を始めたフェニックス・プラントは米国で三カ所目、JRSリソースの二番目のヤードであり、米国でJPは二社三ヤード体制となった。現在、米国におけるJPの三ヤードの合計扱い量は月間計二万トン強、年間二十七万トンに達している。

西海岸で歴史的なバブル市況

 訪米時、昨秋から上昇した米国の古紙相場は、さらに高騰基調を加速させていた。もともと一月頃までにこの相場は落ち着くとみられたが、二月中も一段と価格は上昇。今回の価格高騰は、ACNなど中国系商社を通じた旺盛な需要によるもので、中国において製品価格が上昇したとはいえ、異常な値を付けており、長続きしないだろうといわれていた。ただ、暴落も考えにくく、調整局面で下がっても二〇~三〇ドル程度との見方が大勢であった。
 二月のOCC価格(ショートトン、FAS価格)は、二一五―二一八ドル。前月より二十七ドル上昇していた。仕入れに大きく影響するため、月初めの市況が発表される直前は各商社とも価格を抑え目に付ける傾向がある。ところが二月は発表前にも関わらず、強気の価格設定だった。このため二月中はもう一段の価格上昇が予想されており、現にさらに上昇する結果となった。二月中に二〇―二五ドル上昇したとされ、帰国後に確認した三月のOCC価格は二四三―二四六ドルとなっていた。

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