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古紙ジャーナル バックナンバー

【米国の古紙需給】
古紙輸出量は2千万㌧前後で横ばい
中国系の大手三社で3割の輸出シェア

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2017年3月6日 1220号

米国からの古紙輸出量推移
米国からの古紙輸出量推移

 古紙価格が歴史的な高値圏に突入している。日本のOCC(段ボール)とMIX(雑誌古紙)の輸出価格は、リーマン・ショック前の水準を超え、過去最高値を更新した。米国のOCCも三〇〇ドル台が目前となっている。古紙の需給動向においては、米国から中国の供給量がもっとも多く、国際市況を左右する。今回の騰勢も中国勢の強気な買い姿勢によるもの。米国からの古紙輸出量は横ばいで推移し、需給の軟化気配は乏しい。二月に米国を訪問したこともあり、最近の米国の製紙・古紙需給の動向をまとめた。

 AF&PA(米国製紙・森林協会)によると、二〇一六年の米国の紙・板紙生産量は、七千百七万トンで対前年比〇・八%減だった。紙と板紙の生産比率は三七:六三と、日本より板紙比率が圧倒的に多い。その上、稼働率が紙で八九・六%、板紙で九四・六%と板紙の高さが際立つ。
品目別でみると、紙は軒並み減少の中、包装用紙と家庭紙のみ増加。板紙も段原紙で増加と、日本と似た傾向をみせる。段原紙の生産量は三千二百九十五万トンで、前年比一・二%増。うち、ライナーが二千三百三十五万トン(〇・六%増)、中芯原紙が九百六十万トン(二・八%増)であった。
 古紙の消費量では、品目別で濃淡はあるものの、概ね横ばいである。
 北米では段原紙需要が堅調で、今年以降、計百五十万トン超のマシン増設が予定されている。一つは三月にカナダのケベック州で、クルーガー社が年産三十万トンのライナーマシンを増設。また今年後半にも米国・ウィスコンシン州でコンテナボード・サプライヤー社が年産十九万トンの中芯原紙を増設する。他に新聞用紙マシンからの転抄も複数計画があるもよう。
 北米の段原紙工場は、東海岸側に集中し、西海岸には数少ない。一方、古紙輸出の供給地となるのが西海岸で、ロサンゼルス港だけで四割近くを占めている。今年、新設される二台は内陸~東海岸寄りに位置し、輸出市況に大きな影響は生じないとみられるが、昨年十二月の製紙メーカー在庫は前年より一五%減るなど需給の逼迫感も窺える。
古紙の輸出量は、二〇一一年から一四年にかけて減少傾向だったが、一五年、一六年と再び増加。二千万トンに迫っている。中国向けも堅調で、昨年は千三百十八万トンで全体の六七%を占めた。

 米国から中国の古紙輸出がもっとも主要な流通ルートであり、国際市況を左右する。二月中の古紙価格の高騰も、中国からの強い引き合いが発端だ。いわゆる中国系商社の「御三家」と呼ばれるのが、ACN、ラリソン、サイコリンク。それぞれ大手メーカーであるナインドラゴン、理文造紙、吉安・山鷹の調達窓口として、米国にオフィスを構える。二〇一五年にACNが三百九十二万トン、ラリソンが百二十六万トン、サイコリンクが七十四万トンの扱い量があった。この三社で米国から輸出量の三〇%を占め、中国向けに絞れば、シェアは四五%にも上る。
 中国メーカーは製品価格の値上げを断行し、古紙に関しても強気の調達姿勢が目立つ。ナインドラゴンは、二〇一八年末までに中国で四台で計二百万トンの増設計画を発表。米国の需給が軟化する気配も薄く、中国では強い需要も引き続く。当面、記録的な高値圏で価格は推移しそうだ。

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