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【古紙業界におけるM&A】
今後、生き残りかけた再編・集約が加速か!?
JPによる福田三商の子会社化で

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2017年2月13日 1617号

JPによる福田三商の事業統合のイメージ

 自主独立の経営に支えられた古紙業界では、ほとんど再編・集約が進んでこなかった。回収量や回収率が右肩上がりの時代が長く、共存共栄を享受できたことや、先祖代々築き上げたファミリー企業を他者に委ねることの抵抗感も強かったためだ。だが、古紙の発生が減りはじめ、ヤードの過当競争や仕入れ競争が激しくなる中で、後継者は難しい経営のかじ取りが求められる。今回、日本紙パルプ商事㈱が大手古紙問屋の福田三商㈱を傘下に入れたことで、問屋の再編に対する心理的なハードルは下がってくるだろう。今号では、両社が事業統合の合意に至った経緯やその背景に焦点を当てた。

M&A巧者となったJP

 日本紙パルプ商事(以下、JP)は紙卸商の最大手として、年間三百二十万トンほどの紙・板紙販売量がある。しかし、国内の紙・板紙市場が縮小する中、関連分野での新事業に取り組むことで、新たな収益の柱を一本、二本、と打ち立てようとしてきた。近年、特に注力してきたのが、資源環境、製紙、海外展開といった分野である。こうした事業を進めていくにあたり、積極的に多用しているのが、M&A(合併・買収)だ。
 海外経験も豊富な野口憲三社長が二〇一〇年六月に就任したのと前後し、成立させたのが米国のグールド社のM&Aである。二段階に分けて株式の一〇〇%を取得した。グールド社は全米で三位の規模を誇る独立系の紙卸商。同社を通じて、北米や欧州の販売網を手に入れ、海外展開を加速させた。
 製紙分野では、大豊製紙、エコペーパーJP、コアレックスグループを擁するが、エコペーパーJPは、二〇〇九年四月にトキワから製紙事業を譲り受けたもの。コアレックスグループは、二〇〇九年十二月に三栄グループと資本・業務提携を結んだ後、二〇一一年四月に株式取得により子会社化した。
 古紙業者では、二〇〇八年八月に北海紙業を買収。二〇一一年には、JP資源が、大阪市の住之江紙料から古紙事業を取得。二〇一四年三月にも長野市の小矢澤商店をJP資源の傘下に入れ、古紙ヤードは全国で十三カ所まで増えていた。いずれも買収額は公表していないが、後継者の不在や将来的な事業環境に対する危機感が事業譲渡の理由であった。買収後の業績も好調とみられ、小矢澤商店は当時、月間千六百~千七百トンの扱い量だったが、二年間でこれを倍近くまで伸ばしている。
 昨年には、AIサービス、超高速システム開発、クラウドサービスを行う新会社にも出資しており、これまでの紙卸商ビジネスを変革する方向性への投資も積極的である。現在、JPの子会社や関連会社は、内外で百社を数える。
 JPによると、毎年、M&Aに向けた投資予算を確保しているのではなく、時々のバランスシートを 考慮しながら、投資判断しているという。紙・板紙の販売はシュリンクすることから、成長分野への投資は欠かせず、常に複数のM&Aディールの案件を抱えているものとみられる。

株式交換により子会社化

 数々のM&Aを成立させてきたJPは、今回、大手古紙問屋である福田三商を子会社化。福田三商は年間四十五万トンの古紙扱い量と十九ヤードを構え、JPは古紙業界における過去最大のM&Aを実現させた。これによりJPの国内扱い量は年間百六十三万トンまで伸び、海外取引量と併せれば二百万トン弱となる。

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