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【台湾の製紙】
段原紙マシン三台で計七十七万㌧の増設
中国の人件費高騰等で、製造業が回帰

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2015年11月30日 1158号

台湾における段原紙生産量の推移

 世界的な「紙離れ」によって、洋紙分野の市場縮小が続く中、製紙業は板紙と家庭紙に成長を求めるのが、世界の趨勢となっている。日本でもここ二、三年の間に、新マシンの設備投資があったのはこの二分野である。台湾でも同じく設備投資の動きが広がっている。ただ、台湾の場合、過去に中国本土の投資に傾倒したことにより生じた産業空洞化の反動もある。中国は人件費の高騰や経済成長の減速に直面しており、今後の製紙における新設計画も中国から東南アジアなどの他国にシフトするのか!?

 今年末から来年にかけて、台湾で大手三社によって新たに三台の段原紙マシンが稼働する。①正隆紙業の后里工場で、印刷用紙マシンだった九号機を段原紙マシンに転抄。生産能力は年産十七万トンで今年末から試運転を開始するもよう。②栄成紙業の二林工場で年産三十万トンの段原紙マシンを新設。今年末からの稼働を予定。③永豊与の新屋工場で三十万トンの段原紙マシンを増設。稼働は二〇一六年の第3四半期を予定。これら三台を合わせた生産能力は年間七十七万トンに達する。

 台湾の段原紙市場をみると、昨年の段原紙生産量は二百三十一万トン。金融危機の〇八年に大きく落ち込んだが、一一年以降は再び増加傾向が続いた。とはいえ、ピークだった〇四年の二百六十一トンに比べると、二割弱の収縮だ。

 現状、正隆紙業で年産百六十三万トンの段原紙の生産能力を有し、栄成紙業と永豊与でそれぞれ年産四十万トンと百十八万トンの能力を備えるので、大手三社だけで三百二十一万トンの生産能力がある。この三社だけでみても、稼働率は六六%と低調である。

 ここに来て、マシンの増設ラッシュが起きたのは、台湾の製造業の回帰現象が背景にある。台湾の製造業は、九〇年代頃から中国の沿岸部に投資を加速させてきたが、逆に台湾内の製造業に空洞化が生じた。ところが、中国での人件費高騰や過剰設備、環境対策の強化を受け、一〇年頃から製造拠点を再び台湾に移転させるケースが目立ってきた。一〇年には中国と台湾がFTA(自由貿易協定)を結び、対中貿易の追い風になっている。昨年の台湾からの輸出総額三千百五十六億ドルのうち、四〇%が中国・香港向けであった。

家庭紙でも増設相次ぐ

 また台湾では、家庭紙分野でも増設の動きが相次ぐ。永豊与は台湾中部の清水工場で年産四万トンのティッシュマシンを稼働させた。パルプものの高品質のティッシュとトイレットロールを生産し、輸入品に対抗する。一方で、正隆紙業も台湾北部の竹北工場で、十六号機マシンを導入し、ペーパータオルを年間三万二千トン抄造する。台湾でペーパータオルの消費量は伸びており、台湾区造紙工業同業公会によると、今年一―九月の家庭紙消費量は十一万七千トンで、前年比〇・一%減だが、ペーパータオルは同比二二・七%増で六千三百トンに達している。正隆紙業は古紙ものが主流だった市場に、パルプものの製品を投入し、差別化を図る。この竹北工場では、既存の年産四万トンのマシンでティッシュやフェイスタオルなどを抄造、年産八千トンのマシンでは古紙ものの家庭紙製品を製造している。

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