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【古布】
マレーシア向け輸出価格、最大二〇%下落
大手業者が一万二千㌧の在庫積み増す

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2015年8月24日 1144号

首都圏の自治体で回収された古布

 七月に古布の輸出価格がマレーシア向けを中心に八~十円前後下がったが、マレーシアの大手古布業者のホンスーンハンで在庫が未だ高水準にあるなど、先行きの不透明感が漂っている。価格高騰を続けていた古布は、ピーク時より一〇~二〇%安い価格帯で取引されている。ここ数年、仕入れ競争も過熱し、各地の自治体の入札でも高値が付いていた。今回の急落は現地の政策的な要因が強く、需給要因は薄いとされるが、予断を許さない状況が続いている。

インドネシアが輸入停止

 マレーシアは、古布の最大の輸出相手国。日本から全体の五二%にあたる月間約九千トンを輸出する。ホンスーンハンは最大の輸入業者で、月間五~六千トンの扱い量があった。シンガポールに本社を構え、マレーシアのジョホールバルで選別工場を運営する。七月からキロあたり八~十円の購入価格の下げを通知したが、再び一部業者には九月からの下げを要請しているもよう。すでに新規の取引きを停止し、品質の劣る地方部からの買付けを止めている。同社によると、七月以後、取引価格は約一〇%下がり、輸入量も約一〇%減らしたという。

 同社は選別した古布の多くをインドネシア向けに販売。表向きは古着の輸入を禁止しているものの、独自ルートでこれまでインドネシア市場をほぼ独占してきた。日本の古着はインドネシアを始め、東南アジアのバイヤーの間で人気が根強い。同社は選別能力を活かし、量と価格の両面で強気の仕入れを行って古布の高値取引を牽引してきた。

 しかし風向きが変わったの昨秋頃から。インドネシアの大統領が変わり、これまでのコネや賄賂がまかり通っていた役人が粛清された。今年の春からインドネシア向けの古布の輸出量が減り始め、現在はストップしている状態。そのため同社は急遽他国に振り替えているが、市場開拓に時間を要するもよう。現在、工場内と港を合わせて二カ月分の一万二千トンほどの在庫を積み増している。さらに中国元下げを起点とするアジア諸国の通貨安競争が、今後の古布価格の下落に拍車をかけるとの観測もある。

消費税の導入で打撃

 今回、マレーシア向けで、大きく価格を下げた要因は、今年四月から導入された同国の消費税にある。今年四月から六%の消費税が導入されたが、古布の輸入で混乱が起きている。込みボロが原料なのか商品なのかという定義が曖昧であり、税関によって消費税の支払額が違うことが多い。ポートケルンではこれまで日本の古布業者と税関でトラブルが起きていたが、今後はジョホールバルでも起こる可能性が指摘されている。

 また古布は実際の取引きであるインボイス価格に対する六%の課税ではなく、政府が設定した価格に対する課税方式になる。この方式による輸入業者の課税負担はキロ八~十二円になるともいわれ、この負担増から、値下げ要因に繋がったとされる。つまり今年の古布価格の急落は、①インドネシアへ選別古布の輸出ストップ、②マレーシアの消費税導入という二つの政策的な要因が絡んだことに拠る。輸出価格はピークの四~五月頃に比べ一〇~二〇%下落した。

 古紙にも共通するが、価格の高騰によって古布の品質もこの二~三年で急激に落ちている。布団や売り物にならないものの混入が、クレーム増加の原因となっている。しかし、都心から排出される古布は依然として高値が出ており、今後は都市部とそれ以外の地域で価格の二極化が進みそうだ。実際、東京や横浜などの都市部ではキロ二十五~三十円、地方で十円台という二重価格が付いている。市況の過熱感を冷やす契機にもなったが、自治体など発生元との高値の契約期間も残っており、古布を扱う業者には正念場が続きそうだ。

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